【授業の目的】
人々が森林に関わって行う行為には、外部性と長期性という際立った特徴を備えていると理解できる。この2つの特徴ゆえに、森林政策がさまざまな形をとって行われてきたことを説明する。
【授業の到達目標】
社会科学の基礎的な考え方(主に経済学と社会学)に基づいた森林政策の理解の仕方を身に付ける。とくに、理論的・演繹的な考え方と実証的・帰納的な考え方を意識的に区別できるようになることを目標とする。
【授業概要(キーワード)】
社会科学、理論的研究、実証的研究、森林資源、外部性、長期性、コモンズ、ガバナンス
【科目の位置付け】
社会科学系の科目の中でもっとも基礎的な概念や考え方を学ぶ科目である。
【授業計画】
・授業の方法
講義形式で進める。
・日程
第1回 森林政策学講義の概要と目標 第2回 社会科学の考え方の基礎 -森林に関わる人々の行為- 第3回 社会科学における実証研究の方法 第4回 日本と世界の森林資源 第5回 森林における外部性:外部性の捉え方 第6回 外部性への処方箋:経済学的アプローチ 第7回 外部性への処方箋:社会学的アプローチ 第8回 森林における長期性の捉え方と処方箋 第9回 コモンズ管理の考え方:非排除性と競合性 第10回 コモンズ管理の処方箋:8条件 第11回 コモンズ管理の処方箋:日本と海外の事例 第12回 森林政策の捉え方:林政学アプローチ 第13回 森林政策の捉え方:政策科学アプローチ 第14回 森林政策の捉え方:ガバナンスアプローチ 第15回 まとめと試験 変更もあり得るので注意すること。
【学習の方法】
・受講のあり方
ほかの社会科学系の授業科目も積極的に併せて受講することが望ましい。理解不足の点や疑問点があれば積極的に質問してほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義中に紹介する文献を読むこと。
【成績の評価】
・基準
実証的研究、外部性、長期性など、森林政策について社会科学的に理解するための基礎的概念を理解していること。
・方法
小テスト40%、試験60%。
【テキスト・参考書】
配布資料を利用する。参考文献は各回の講義時に紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
本講義では林政学分野で必要となる基礎的な考え方を理解することを主眼とし、それを理解するために必要な範囲で森林・林業場面での実際例を紹介する。より森林・林業の実態に即した実例や応用面については、「森林法律学」や「住宅市場論」などを受講することが望ましい。
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