【授業の目的】
生態系保全、及び資源保全を目的とした持続可能な森林管理について論じる。森林は多様な生物の生息地・生育地(ハビタット)であると同時に、人間社会に様々なサービスをもたらしうる資源として捉えることもできる。様々な機能や価値を持つ森林を持続的に保全していくために必要とされる理論について学習すると同時に、現場の技術から計画上求められる技術(たとえば地理情報システム)まで解説する。
【授業の到達目標】
(1)森林の多面的機能について理解すること、(2)森林計画・管理に必要とされる理論・技術について理解すること、(3)森林・林業にかかわる歴史的背景や現行施策・法制度について理解すること、の3点を目的とし、昨今の森林の利用・保全にかかわる諸問題について主体的に考える能力を養うことを目標とする。
【授業概要(キーワード)】
森林の多面的機能、森林施業、森林GIS、ハビタット管理、順応的管理、合意形成、地理情報システム
【科目の位置付け】
森林科学コースの学習目標(1)~(3)に該当し、森林の保護・管理・利用に関する幅広い基礎知識を学習する。
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを利用して講義を進めると同時に、関連資料も随時配付する。講義内容に関する理解度等を確認するために、質問・感想を毎回出席票に書いて提出する。
・日程
1.概論 2.森林・林業の歴史と現状 3.森林の多面的機能(※生態学をベースに解説します) 1)ハビタットとしての森林 2)森林がもつ公益的機能 3)森林の発達段階と機能 4.森づくりの技術(※森林GISの利活用を含めて解説します) 1)森林のタイプと機能目的 2)森林管理技術 3)木材生産の施業体系 4)生物多様性保全のための森林管理 5.これからの森林計画を考えるために(※生態系管理を軸に解説します) 1)日本の森林施策と法制度 2)日本の森林・林業の課題 3)地理情報システム(GIS)を利用した森林計画 4)森林保全のための順応的管理と合意形成 6.まとめ 1)まとめと論述試験 2)試験問題の解説
【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントによる説明はただ聞き流すだけでなく、重要なポイントを随時ノートに書き留めていくことが重要です。また、毎回配布する出席票には感想や質問を必ず記入してください。講義内容の理解促進に役立つ質問については、随時講義の中で取り上げます。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に紹介した参考図書の該当箇所に目を通しておくことをお勧めします。配布資料や参考書をチェックし、疑問点があれば随時相談に応じます。
【成績の評価】
・基準
授業概要(到達目標)に示した(1)から(3)を理解し、適切に説明できることを当該科目の合格基準とする
・方法
質問・感想(10%)、レポート1回(40%),論述試験1回(50%)をもとに判定する。
【テキスト・参考書】
主としてパワーポイントを講義では使用し、関連資料も随時配布するため、とくにテキストは指定しない。 参考書:藤森隆郎 著、森づくりの心得、全国林業改良普及協会、2012年、3500円
【その他】
・学生へのメッセージ
森林計画の理論や管理技術をはじめとする応用分野は必ずしも体系化されていません。問題解決のためには、主体的に自らの考える力を養っていくことが重要です。
・オフィス・アワー
随時(事前にメールなどで問い合わせてください) enari@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp
|