森林資源化学
 Forest Resource Chemistry
 担当教員:芦谷 竜矢(ASHITANI Tatsuya),高橋 孝悦(TAKAHASHI Kouetsu)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科森林科学コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
森林資源の主体をなす木材の利用法について学習する。
木材が物理的,化学的にどのように加工され,利用されているのか学習することで,林産に関わる森林資源利用の現状を理解し,材料化学的視点から森林について解析するための基礎知識を得ることを目的とする。

【授業の到達目標】
木材の利用法について学習することで,林産物製造・加工技術・バイオマス利用技術の原理,技術的課題と対応策を理解する。林産学分野における化学技術の開発・応用などの基礎知識を習得し,森林資源利用の新しい関係を探ることができる。

【授業概要(キーワード)】
林産製造,製材,木材化学,木材の物理・化学加工,木炭,パルプ,バイオマスエネルギー

【科目の位置付け】
木材産業,バイオマス・エネルギー産業、林産化成品産業などの製造原理は今後とも重要であり,環境保全と資源利用の両立を目指す学問分野の学生には必須の知識である。本科目は,森林・林業・林産業および社会の実態を理解し、物事を多面的かつ重層的に考える能力を身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
講義
・日程
主要なテーマと順序は以下の通りである。
1. 授業の概要説明,2. 立木と丸太, 3. 製材と乾燥,4. 健康と木材,5. まとめとテスト,
6. .合板と単板積層材, 7. 集成材と接着剤,8. 削片板と繊維板,9. まとめとテスト,
10. 表面処理,11. 寸法安定・WPC処理,12. 保存処理(防腐,防虫)と防火・難燃処理,13. 紙・パルプの製造,14. 熱分解と炭化, 液化法,15. まとめとテスト
なお,日程と内容は状況に応じて変更もありうる。

【学習の方法】
・受講のあり方
自ら参考図書と講義の内容を纏めて整理することが必要である。
内容の理解できない部分は質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
林産物の基本的製造原理については多くの参考書がある。新しい森林資源利用の問題点などについては最近の雑誌,新聞などによる情報収集に努めることが望まれる。
多岐にわたるので自主的に図書・文献の調査等を行うこと。

【成績の評価】
・基準
試験結果と学習態度を評価する。
・方法
学習態度,3回の試験結果を総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
初回の授業で参考図書等を紹介する。
城代,鮫島(編),「木材化学講座4,化学」,(海青社,1996)
森林総合研究所(監修),「木材工業ハンドブック」(丸善,平成19年)
今村博之ら(編),「木材利用の化学」,(共立出版,昭和58年)
秋田県立大学木材高度加工研究所(編),「コンサイス木材百科」,((財)秋田県木材加工推進機構,2002年)
岡野・祖父江(編),「木材科学ハンドブック」,(朝倉書店,2006年)
佐々木「バイオ系の材料力学」,(海青社,2015年)
など

【その他】
・学生へのメッセージ
森林資源の利用は,森林環境保全との兼ね合いで検討されねばならない。その為には森林資源の特徴,利用技術の現状と課題を熟知しなければならない。教養課程での物理学,化学に関する講義,森林化学,森林資源利用学などを履修した後,受講することが強く望まれる
化学・生物学・物理学の基礎知識が必要である。さらに,化学(工学)技術関係の入門書の購読が望まれる。
・オフィス・アワー
研究室在室時であれば随時応対(事前連絡が望ましい)

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