【授業の目的】
森林性哺乳類を対象に、人と野生動物との軋轢軽減、及び森林生態系の持続的管理を目的とした野生動物管理について論じる。
【授業の到達目標】
(1)森林性哺乳類の社会生態を理解すること、(2)森林と野生動物との相互関係を理解すること、(3)野生動物と人間社会とのかかわりを理解すること、(4)野生動物の保護管理に関連する法制度を理解すること、(5)野生動物保全のための森林管理技術について理解すること、を目的とし、哺乳類各種の保護管理にかかわる基礎的知見を習得することを最終目標とする。
【授業概要(キーワード)】
哺乳類、個体群管理、生息地管理、被害防除、森林管理、自然保護区
【科目の位置付け】
動物生態学、景観生態学、森林生態学、個体群生態学を領域横断的に活用した「森林性哺乳類と人間社会との軋轢軽減」を目指した生態系管理の基礎
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを利用して講義を進めると同時に、関連資料も随時配付する。講義内容に関する理解度等を確認するために、質問・感想を毎回出席票に書いて提出する。
・日程
1.概論 2.野生動物管理の歴史と現状 3.個体群と生息地管理 1)個体数の評価 2)個体数モニタリングと個体群管理 3)生息地の評価 4)生息地管理と保護区の設定 4.野生動物関連法 5.各論 1)ニホンザルの保護管理 2)クマ類の保護管理 3)ニホンジカの保護管理 4)イノシシの保護管理 5)外来動物問題と対策 6.人口減少時代における野生動物管理の課題 7.まとめ 1)まとめと論述試験 2)試験問題の解説
【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントによる説明はただ聞き流すだけでなく、重要なポイントを随時ノートに書き留めていくこと。また、毎回配布する出席票には感想や質問を必ず記入すること。講義内容の理解促進に役立つ質問については、随時講義の中で取り上げる。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に紹介した参考図書の該当箇所に目を通しておくことをお勧めする。配布資料や参考書をチェックし、疑問点があれば随時相談に応じる。
【成績の評価】
・基準
授業概要(到達目標) に記載された(1)から(5)までを理解し、適切に説明できることを当該科目の合格基準とする。
・方法
質問・感想(10%)、レポート1回(40%),論述試験1回(50%)をもとに判定する
【テキスト・参考書】
主としてパワーポイントを講義では使用し、関連資料も随時配布するため、とくにテキストは指定しない。 【参考書】 梶光一、他(編)、野生動物管理のための狩猟学、朝倉書店、2013年、3360円 羽山伸一、他(編)、増補版:野生動物管理―理論と技術―、文永堂出版、2016年、7776円 ML Morrison(著)、生息地復元のための野生動物学、朝倉書店、2007年、4515円 關義和・江成広斗・小寺祐二・辻大和 (編)、野生動物管理のためのフィールド調査法: 哺乳類の痕跡判定からデータ解析まで 、京都大学学術出版会、2015年、4104円
【その他】
・学生へのメッセージ
野生動物管理は歴史の浅い科学(実学)です。野生動物に関連するニュースを日頃から注意深くチェックし、問題の解決策を主体的考えるトレーニングを心がけてください。
・オフィス・アワー
随時(事前にメールなどで問い合わせてください) enari@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp
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