河川環境調査論
 River and Stream Environment Investigation
 担当教員:渡邉 一哉(WATANABE Kazuya)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科水土環境科学コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:水土環境科学コース  科目区分:必修 
【授業の目的】
「科学的に川に接するために.農業水路の多面的機能を考える際に応用できるように」;
渓流生態工学の基礎的視点と調査計画の建て方やフィールドでの調査手法を学ぶ.結果の整理では,物理・数学的アプローチの基礎的考え方などを学ぶ.物理・数学的取り扱いが簡単にできることを知る.

【授業の到達目標】
流域における水路・河川などの流水域を対象にして,物理・化学・生物的環境調査の基礎的な方法論を述べることができる。

さらに,物理的生息域の改善や生態学的河川管理に向けての物理・数学的アプローチの基礎について記述できる。

【授業概要(キーワード)】
授業計画参照

【科目の位置付け】
この講義は,河川環境を把握するための調査について,広義の農学的観点から理論と実践方法を修得するものである。(農学部のカリキュラム・ポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
プロジェクタを用いての講義.教科書は使用しない.
・日程
講義の内容は以下の通りである.
1.ガイダンス,講義の背景と立地
中下流部河川と研究フィールド(庄内の山地渓流)の紹介
2.河川形態と流路区分,河川次数
3.環境測定の項目
physical factors, water chemistry and flow dynamics
4.河川の連続体仮説について
落葉の破砕と分解過程・水生昆虫の食性/Food Web
5.撹乱と流砂,フラッシュ放流
6.河床基質と水生昆虫の生活型・摂食機能
7.指数関数モデルについて
生物学的酸化の取り扱い(活性汚泥),人工撹乱による水生昆虫のDrift現象の実験
落葉の滞留に関する実験
8.ロジスティック増殖
密度効果,環境収容力,カオス,フラクタル
9.物質(生物)移動に関するモデルについて
拡散,移流拡散,差分スキーム,初期条件と境界条件
10.その他
山地渓流での生息魚種,トラウトストリームセラピー,最近の話題(事例)
砂防ダムの影響と対策について など
11.川と安全な行動

【学習の方法】
・受講のあり方
簡潔に要点をメモするノートテイキング(note taking)を工夫する.講義の理解をスムーズにするために欠席・遅刻はしないように.
・授業時間外学習へのアドバイス
図書館にある渓流生態学,河川生態学関連の書物を広く読む.
講義ノートを見直し,理解できるように加筆・整理し,完成させる.

【成績の評価】
・基準
河川調査に関する基礎と応用について正しく理解していることを合格の基準にします。
・方法
試験を実施する.その成績,出席状況などを踏まえ総合的に判断する

【テキスト・参考書】
テキストは使用しない.
図書については初回のガイダンスの際に実物を回覧する.
お薦めは,F. Richard Hauer and Gary A. Lamberti: Methods in Stream Ecology, Academic Press

【その他】
・学生へのメッセージ
陸水環境論(前期)を受講しておくことを強く勧めます。
・オフィス・アワー
質問など問い合わせはいつでも受け付けます。

60408007-2017-06-69507