外国書講読演習
 Seminar of Reading English Books and Papers on Soil and Water Environment Sciences
 担当教員:石川雅也(ISHIKAWA Masaya), 渡部 徹(WATANABE Toru)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科水土環境科学コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:農学部食料生命環境学科水土環境科学コース  科目区分:コース必修科目 
【授業の目的】
 なんとなく『多分こうだろう』とか、日本語から考えて『こういう意味だろう』という、憶測や願望ではなく、英語はこういう仕組みの言葉だから『この文はこの意味だ』とか、『これ以外の意味はありえない』という、読み方ができるための知識などを提供しながら、水土環境科学コース専門家として必要な幅広い教養と総合的な判断力をつちかうための一助となるよう、英語の学習を通じて、異なる「文化=文法」の理解を自らのうちに形成する。さらに、その異なる「文化=文法」を鏡として日本的なるものを映し出し、自ら使用する日本語の理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
 この演習を履修した学生は、
1)英語で書かれた論文や資料の取り扱いに慣れていく中で、一般的な英語表現、ならびに科学の専門表現が理解できるとともに、英語を用いて自らの考えを発信できる。【知識・理解】
2)ひとつのまとまりをもった英文を理解し、その内容を自らの言葉で述べる、また記述することができる。【知識・理解】
3)豊かな教養を要する高度な英文を、辞書を用いて正確に読むことができる。【技能】
4)知的な内容をもった英文を、辞書を用いず速読することができる。【技能】
5)英語と日本語との違い、特にその論理性の違いを理解し、論理性豊かな日本語を話し、また書くことができる。【技能】
6)専門分野に関連した専門知識、特に農村・農地・農業水利施設等の整備に必要な基礎知識を身につけるとともに、社会資本の整備に伴う環境への影響を理解して、環境保全策を考え、討議し、配慮することができる。【態度・習慣】
7)卒業論文研究活動や大学院進学のための問題意識を高めることができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
英語、英文読解、農地環境学、水環境工学、水土環境科学、食料生命環境学

【科目の位置付け】
 この授業は、英語の構造を正しく捉える方法について、食料生命環境学に準拠した多くの文章に触れながら効率的に演習することによって、幅広い知識を習得するものであり、以下の水土環境科学コースのディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに該当する。
【ディプロマ・ポリシー:】
2.幅広い教養と汎用的技能
(3)事実や結果に基づいて、自分の考えを表現し、議論することができる。
3.専門分野の知識と技能
(2)農村・農地・農業水利施設などの整備に必要な基礎知識を身に付けるとともに、社会資本の整備に伴う環境への影響を理解して環境保全策を検討することができる。
【カリキュラム・ポリシー:】
1.教育課程の編成・実施など
(1)専門分野の中核となる概念や原理を理解する専門教育科目と専門科目を有機的に構造化し、土と水の科学及び農村・農地・水利に関する技術を修得しやすいカリキュラムを編成する。
(2)調査や実験で得た結果を客観的に分析し、論理的に考察を加える能力や手法を身に付けられるように実験・実習、演習科目を配置する。
2.教育方法
(4)与えられた条件下で計画的に仕事を進め、まとめることができるように、主体的な学習を促す。
3.教育評価
(1)学習者が到達度を確認できる明確な成績評価基準を策定し、教育課程及びカリキュラムを不断に点検・評価する。

【授業計画】
・授業の方法
 セミナー演習形式です。詳しい方法については、各担当教員の初回の授業で説明しますが、基本的な方法は次の通りです。
1)知識を学生に押しつけるのではなく、学生の理解の過程に合わせた説明をします。
2)基礎的な内容の文献を輪読します。
3)『こういうカタチはこう訳す』という短絡した教え方はしません。英語の構造がこうなっており、こういう意味だがら、一例としてこういう訳が考えられるという、事態の本質をついた説明をしたいと考えています。
・日程
第1回:演習の進め方とガイダンス
第2~8回:農地環境学分野:担当教員(石川)
1)基礎力の確認と文献講読(英検、TOEIC、TOEFLなどの資格試験問題や大学院入試問題など)、および情報収集。 2)担当教員が作成した『英文に関する構造的特徴-英文読解の要諦-』という冊子(72ページ)を補助テキストとして使用します。 3)農地工学と農村計画学に関する研究の紹介。
第9~15回:水環境工学分野:担当教員(渡部)
1)基礎力の向上と文献講読、および情報収集。 2)水環境工学に関する研究の紹介。

【学習の方法】
・受講のあり方
1)テキストの内容を読み取り、与えられた時間枠で問題を解く。
2)その解答を導いたプロセスを口頭で説明する。
3)正しい解答とその導出プロセスを確認する。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)宿題として指定された問題は必ず行うこと。
2)演習中に間違えた所は、きちんと正解と照合し、納得するまで解き直しておく。
3)演習で指摘されたことを自分の学習活動や研究活動に活かすように心掛けること。
4)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので、テキストと小テストなどの演習内容の該当箇所を自分で探し関連づける。
5)演習で習った内容に関連することを図書館やネットで自分なりに調べてみる。
6)わからないことは担当教員に遠慮無く質問すること。

【成績の評価】
・基準
 合格の基準:全日程終了時に、以下の事項がすべて達成されること。
1)一般的な英語表現、ならびに科学の専門表現について、基本的な事項を正しく理解していること。
2)英文読解について、演習を通じて得られた知識や経験に基づいて主体的に考察し、実践できること。
3)専門分野に関連した専門知識、特に農村・農地・農業水利施設等の整備に必要な基礎知識を身につけるとともに、社会資本の整備に伴う環境への影響を理解して、環境保全策を考え、討議することができること。
・方法
 『小テスト』や『レポート』の結果、『演習への参加意欲』、『履修の態度』および『出席状況』を総合的に判定します。やむを得ない事情がある場合を除き、すべての回の演習に出席することが大前提です。病気、忌引など、やむを得ない事情で欠席する場合には、事前に、あるいは事後1週間以内に、担当教員へ知らせて、当教員から指示を受けてください。ただし、どんな事情があるにせよ、各教員の担当回のうち2回以上欠席した場合は、最終成績を79点満点として評価します。また、各教員の担当回のうち『1/3を超える欠席』は『不可』と評価します。すなわち、どんな事情があるにせよ、初回のガイダンスを除く、1名の教員が担当する全7回の演習うち、『3回欠席』した場合は『不可』になりますので注意してください。
1)『小テスト80点』+『発表回数+発言回数など演習意欲20点』(石川)
2)『予習も含めた演習意欲70点』+『レポート30点』(渡部)

【テキスト・参考書】
 分野ごとに、演習の中で紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
1)英語の読解が苦手な人、得意だけれどもイマイチ自信がない人が対象です。
2)真面目に取り組んで頂けるのであれば、他コースの学生が参加しても結構です。
3)本演習を受講することで、日本語能力も高まると思います。
・オフィス・アワー
 演習の中で連絡します。

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