水質環境科学
 Water Quality and Environment
 担当教員:渡部 徹(WATANABE Toru)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科水土環境科学コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
農業・環境問題の多面的な理解と環境保全策の検討につながるように,農村を取り巻く水環境における水質問題について知識を深めるとともに,水質環境を議論する上で重要な生物・化学反応過程を理解することを目的とします。

【授業の到達目標】
・水質に関する専門用語や法体系について説明できる。【知識・理解】
・過去から現在に至る水質問題とその対策について議論できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
水質汚濁,酸化還元,水質指標,物質循環,水質基準,環境基本法,生活排水,面源汚濁,水質浄化

【科目の位置付け】
水土環境科学コースのディプロマ・ポリシーのうち,「持続可能な農業と農山村のあり方を検討できる能力」および「調査や実験で得た結果を客観的に分析し,論理的に考察を加える能力や手法」を習得するための科目です。

【授業計画】
・授業の方法
授業はおおむね下記テキストに沿って,講義形式で行います。
・日程
各回の授業計画は以下の通りであるが,進み具合によって多少前後することもあります。
1.ガイダンス,基礎知識の確認
2.現代社会と水環境のかかわり
3.水の性質,酸と塩基
4.水質指標(1)
5.水質指標(2)
6.物質循環
7.中間試験と解説
8.水環境に関する法的規制
9.生活排水の実態とその対策(1)
10.生活排水の実態とその対策(2)
11.面源汚濁の実態とその対策
12.水質モデル
13.生物を用いた水質浄化
14.水質環境科学に関する最新の研究
15.最終試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
基本的には下記テキストに沿って授業を進めます。補足の説明については随時書き留め,復習に役立てて下さい。不明な点はそのまま放置せずに,質問して下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容に関連した書籍などを読み,理解を深めることをお勧めします。また,授業で紹介した環境問題の事例などを,図書館やインターネットで調べることも復習につながります。授業内容の理解には化学や生物学の基本的な知識が必要です。高校までの学習内容を復習すると理解度が高まると思います。

【成績の評価】
・基準
水質に関する専門用語や法体系を理解していること,そして,過去から現在に至る水質問題とその対策について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
中間試験と最終試験を行います。2回の合計(100点満点)が60点以上を合格とします。なお,毎回出欠を確認し,出席が2/3(10回)に満たない者は,最終試験を受けることができません。

【テキスト・参考書】
「よくわかる水環境と水質」武田育郎,オーム社,2010
その他,必要に応じて,プリントを配布します。本講義で勉強したことについて,さらに理解を深めたい人には,以下の参考書を薦めます。
「水環境基礎科学」宗宮功・津野洋,コロナ社,1997
「環境水質学」宗宮功・津野洋,コロナ社,1999

【その他】
・学生へのメッセージ
1)農学部で唯一の水質環境に関する科目です。卒業論文で水質に関連したテーマを考えている人は(もちろん,単純に水環境に興味のある人も),所属コースに関わらず,この授業で基礎知識を学ぶことができます。
2)授業内容は農村環境整備に重要な知識です。農工系公務員,コンサルタント,建設業への就職を考えている人には受講してもらいたいです。
・オフィス・アワー
出張が多く週によって予定が変わりますので,研究室(1号館5階)に何度か足を運んでもらうか,あるいは事前にメール(to-ru@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp)で予定を確認して下さい。

60408390-2017-06-69629