社会と学力
 Society and Educational Performance
 担当教員:河野 銀子(KAWANO Ginko)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義+演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
・「学力」を捉える複数の視点を学習することによって、各々の長所短所を理解する。
・日本社会における「学力」の実態と、学力をめぐる論争を客観的に捉える。
・「学力」に影響を与えている要因について、多角的に学習する。

【授業の到達目標】
○「学力」について、学生同士の議論や文献による検討を通して、各自の「学力観」を相対化する。
○「学力」の定義によって、測定方法や評価方法が違うことを調べ、それぞれの特徴を捉える。
○具体的な教科を取り上げて、「学力観」「学力」がどう変わったか調べる。
○学力に影響すると考えられる要因をあげ、それぞれについて吟味する。

【授業概要(キーワード)】
学力、社会変化、PISA

【科目の位置付け】
この授業は、人間文化の諸相を多面的かつ構造的に学ぶ「コア・プログラム」の「中心科目」に位置づく。

【授業計画】
・授業の方法
講義、グループワーク
・日程
第1回:「学力」とはなにか(学生討論)
第2回:「学力」をめぐる議論の時系列的整理
第3回:「学力」をめぐる議論の論理的整理
第4回:日本における学力調査の歴史と結果―全体―
第5回:日本における学力調査の歴史と結果―地域―
第6回:日本における学力調査の歴史と結果―性別―
第7回:ここまでのまとめ
第8回:国際的学力テストの概要とインパクト
第9回:TIMSSの分析 (1970,1983,1995,1999,2003,2007)
第10回:TIMSS分析結果の共有
第11回:PISAの分析 (2000,2003,2006,2009,2012)
第12回:PISAの分析結果の共有
第13回:学力格差と社会階層
第14回:これから必要とされる学力と育成
第15回:学力を育てる社会を考える

【学習の方法】
・受講のあり方
グループワークを中心に行うので、主体的に取り組む姿勢が重要。
・授業時間外学習へのアドバイス
グループワークを進めるにあたり、必要な準備や討議を授業前後に行っておくこと。

【成績の評価】
・基準
具体的なテスト問題(TIMSS,PISA)を解きながら、学力をめぐる論争を社会背景とかかわらせて客観的に捉え、社会で学力を育てる可能性を提案できるかどうか、下記の方法で評価する。
・TIMSSやPISAの問題をグループで分析し発表する
・「学力格差」の背景を踏まえて、学校でできることを提案する(個人発表)
・方法
グループワーク50点、個人発表50点の100点満点とする。

【テキスト・参考書】
テキストは指定しないが、下記の参考書および、TIMSSやPISAの報告書等を使用する。
・苅谷剛彦・志水宏吉編『学力の社会学;調査が示す学力の変化と学習の課題』岩波書店。
・苅谷剛彦『学力と階層』朝日新聞出版。
・須藤康介『学校の教育効果と階層;中学生の理数系学力の計量分析』東洋館出版。

【その他】
・学生へのメッセージ
楽しく、真剣に。
・オフィス・アワー
メールでアポイントをとってください。

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