教員になるための学校防災の基礎
 Introduction to School-based Disaster Education and Management: Guidance for Teachers-to-be
 担当教員:村山 良之(MURAYAMA Yoshiyuki),上野 純一(UENO Junichi),阿部 修嗣(ABE Shuji),高橋 忠(TAKAHASHI Tadashi),丹野 咲里(TANNO Sari),齋藤 英敏(SAITO Hidetoshi),川邉 孝幸(KAWABE Takayuki),八木 浩司(YAGI Hirosi)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科,地域教育文化学部児童教育コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
学校安全が対象とするのは,生活安全,交通安全,防災(災害安全)の3領域からなるとされている。本授業科目は,それら3領域全体の射程をふまえた上で,とくに防災に焦点を当てることとし,学校における防災教育に関わる資質能力を育成し,あわせて学校や教員が果たすべき地域の防災に関わる資質能力を育成する。

【授業の到達目標】
1.学校安全の3領域について理解できる。 2.災害発生において地域の条件が重要であり,ひいては防災教育が地域教育であることを理解できる。 3.学校の児童・生徒やその保護者および地域住民に対して,学校教員が担い得る防災教育のための知識や方法およびそれらを開発することができ,地域との連携を構築することができる。

【科目の位置付け】
共通科目(学校教育・教員の在り方)

【授業計画】
・授業の方法
本授業は,担当教員による講義と受講者による発表から構成される。 まず,日本と海外の具体的災害事例をもとにしながら,自然災害の一般的特徴,防災策,さらに防災教育をめぐる課題について検討する。 そしてこれらを土台として,受講者が既存の学校や地域における防災教育の事例をとりあげてその内容と手法を紹介し,担当教員および全受講者による議論を深めて,それらの特徴や課題について検討する。
・日程
第1回: ガイダンス/本授業の目的、方法、概要について説明する。
第2回: 学校安全/学校安全の3領域の射程について整理し,防災の位置づけについて検討する。
第3回: 災害事例①/事例をもとに,ハザード(誘因)の基本的メカニズムについて検討する。
第4回: 災害事例②/事例をもとに,自然災害の素因となる地域の土地条件と社会的条件について検討する。
第5回: 災害論①/災害の一般的構造について,日本の災害論,英語圏の脆弱論や行動科学的災害論をもとに,検討する。
第6回: 災害論②/災害過程について,検討する。
第7回: 防災論①/前回までの内容をふまえ,日本において取り組むべき防災の課題について検討する。
第8回: 防災論②/日本の地域防災計画を中心とする防災法体系について検討する。
第9回: 防災教育①/防災教育の必要性,その射程と課題について検討する。
第10回: 防災教育②/学校教育における防災教育とワークショップについて,日本における複数の先行的実施事例を取り上げてそれらの特徴と課題を検討する。
第11回: 防災教育③/生涯教育における防災教育とワークショップについて,日本における複数の先行的実施事例を取り上げてそれらの特徴と地域における学校の役割を検討する。
第12回: 防災教育④/防災教育の方法論として有効性がもっとも期待されているリスクコミュニケーションの理論と課題について検討する。
第13回: 防災教育発表会①/日本における防災教育実践事例について受講生が紹介し,それをもとに,受講者全員で課題について検討する。①
第14回: 防災教育発表会②/日本における防災教育実践事例について受講生が紹介し,それをもとに,受講者全員で課題について検討する。②
第15回: まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義および他の発表者による発表においては,配付資料を参考にしつつ受講ノートを作成し,必要に応じて質問や感想述べる。自らの発表においては,他者の質問やコメントに的確に対応し,あわせてそのメモを作成する。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義については,配付資料や参考図書を読む。発表については,担当教員と相談し,既存文献やインターネットの情報を収集して発表準備を行う。
講義および他の発表者による発表については,配付資料や参考図書および受講ノートを読んで理解を深める。自らの発表については,質問やコメントなどを参考に反省を行う。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度):
ストレートマスター 学校安全の3領域と防災教育の手法と課題を理解できる。
現職教員 上記に加えて,学校の安全管理および組織活動により災害や危険に対応できる。
・方法
授業への参加状況,防災教育事例発表会における受講生の発表内容と他の受講生発表に対するコメント,および授業内容に関するレポート等から,以下の観点に則り,総合的に判断し,評価する。 授業等に主体的・積極的に参加していたか。/発表内容等が,到達目標からみて,十分な水準に達しているか。/内容等に対する理解や工夫等が見られたか。

【テキスト・参考書】
テキスト:なし
参考書:授業時に紹介する。参考資料を授業時に配布する。

【その他】
・オフィス・アワー
村山:月曜日16:20-17:00

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