美術（および工芸）担当の教員として必要最低限の資質能力を修得していることの確認を主たるねらいとし，求められる教科指導力及び生徒指導力等を確実に身に付けさせるための内容を中心に据え，その他教職についた場合に求められる地域社会との連携等について，「履修カルテ」を参照し，各自自己の学修課題に即して指導教員の助言を得ながら学修する。

本人が専攻する学科・コースで学んだ美術（工芸含む）に関する専門的な知識・技能を生徒の発達段階・学習課題に合わせて教科指導できる授業力を身に付け，また，生徒の発達課題に合わせて個人あるいは学級・学年集団に対して生徒指導・学級経営できる技術を修得する。また，教員としての使命や服務・倫理を自覚し，教科指導及び学級経営の模擬授業をする際に協働作業を通してコミュ二ケーション能力を身につける。

教員としての最小限必要な資質能力，使命感や責任感・教育的愛情，生徒理解や学級経営，社会性や対人関係能力，教科の指導力

教員免許状取得上の必修科目

本授業は，美術（および工芸）教員として最小限必要な資質能力（「履修カルテ」を参照）を有しているかを確認することが目標であるので，グループ討論，事例研究，現地調査，実地視察，模擬授業，指導案の作成，等を適宜，組み合わせて授業を行う。授業は，大きく「教員としての使命感や責任感」「学級経営」「教科指導」から構成されているが，学部全体で実施上，「学級経営」「教科指導」の項目の開講順序が変更する場合がある。

第１回 本授業のねらいの説明と「履修カルテ」の確認／第２回 教員としての倫理・服務について考える。／第３回 教員としての使命感等について考える（地域社会との連携，等を含む）。／第４回 学級経営①：「学級づくり」について実習中に受けた指摘や本人が気づいた課題の意見交換／第５回 学級経営②：「特別活動」についての実習時の指導案の修正または改訂についての意見交換／第６回 学級経営③：「特別活動」について修正または改訂した指導案の提案と模擬授業及び事後検討会／第７回 補完指導①：「履修カルテ」を参照し，教科指導力を中心に，学生個別の課題を見つける。（以下第15回まで，「教科に関する科目」担当教員と協同して授業を進める。）／第８回 美術（工芸）の教科指導①：学習指導要領の教科の目標と内容にもとづき年間指導計画（高校美術Ｉ）の要件を確認する／第９回 美術（工芸）の教科指導②：２社の教科書の比較と関連資料（実践映像等）を参照し、使用する１社の教科書に基づき年間指導計画案を作成する／第１０回 美術（工芸）の教科指導③：作成した年間指導計画案のねらい（工夫した点）と本人が気づいた課題（指導力を向上させたい題材）について意見交換／第１１回 補完指導②：本人が気づいた課題にもとづき希望する領域の教科指導力を中心に，学生個別に補完的な指導を行う。（以下第13回まで，各領域専門の教員がグループごとに指導する。）／第１２回 美術（工芸）の教科指導④：指導案の提案と修正案についてグループ討議／第１３回 美術（工芸）の教科指導⑤：指導案にもとづく教材（提示作品・ワークシート等を含む）についてグループ討議／第１４回 美術（工芸）の教科指導⑥：改訂した指導案（教材）の提案と模擬授業／第１５回 補完指導③：模擬授業全体についての事後検討会と「補完的な指導」の内容の共有化を図るため意見交換

自分の課題を把握して，主体的に取り組む。

紹介された関連資料を検索・調査して自分の課題に即した資料・文献を考察すると同時に，各専門領域の担当教員を訪問して指導を受ける。

合格基準：教員としての使命・服務を説明できる。学級経営案を作成できる。実際に利用できる指導案の作成，ならびに年間指導計画の立案（要件の説明）ができる。

教科指導案，学級経営案，模擬授業，レポートで評価する。 評価の配分：教員としての使命感等についてのレポート（２０％），学級経営案（２０％），教科指導案と模擬授業および補完指導として選択した課題についてのレポート（６０％）

［テキスト］中学校学習指導要領解説（美術編），中学校学習指導要領解説（特別活動編） ［参考書］教育小六法，高等学校学習指導要領解説（芸術編）

教育実習から時間が経過していることに配慮し、履修カルテの分析と自己評価をもとに、補完が必要な自己課題を事前に抽出しください。また、卒業研究と平行して履修するため、学習時間を計画的に確保してください。

随時