学習評価論
 Educational Evaluation
 担当教員:鈴木 雄次(SUZUKI Yuji)
 担当教員の所属:地域教育文化学部非常勤講師
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
教育評価の考え方をたどる中で学習を対象にした評価の意義を明らかにし、評価の機能や評価の領域及び評価の方法などを学ぶ。その上で、学習指導要領及び指導要録の改訂により、現在の学校教育における学習評価の課題を理論的かつ実践的に論ずる。

【授業の到達目標】
授業を受講することによる到達目標は、以下のとおりである。
(1)教育評価の意義と、学習評価に関わる基礎的知識を理解することができる。
(2)学習評価の技法を理解し、評価場面での利用との関係付けができる。
(3)「指導と評価の一体化」の観点から、、学習と評価のつながりを考えることができる。

【授業概要(キーワード)】
教育評価,学習評価,学校評価

【科目の位置付け】
教育(学習)における評価の位置づけを適切に理解し、教育目標や学習指導との関連の中で、評価するための知識と方法を身につける。

【授業計画】
・授業の方法
教育評価に関わるキーワード(基礎的な知識)を講義をとおして獲得する。また、教育評価の歴史をたどることにより、学習評価における相対評価から絶対評価への大きな潮流とその背景を考察する。さらに、学習指導要領と指導要録改訂の趣旨を踏まえ、学習評価における今日的な評価技法の利用について具体例で考え、演習を通じて適用する。
・日程
第1回 オリエンテーション:授業の概要を説明し、演習を通じて学習評価の課題を把握する。
第2回 教育評価の意義と歴史 :教育評価の起点となる出来事から今日までの歴史と評価の意義を概説する。
第3回 教育評価の目的と機能:教育における評価の目的とその機能を考察する。
第4回 教育評価の領域:指導要録を手がかりに、教育評価の諸領域について理解する。
第5回 相対評価、絶対評価及び個人内評価:学習評価における相対評価から絶対評価及び個人内評価への変遷の背景を理解し、それぞれの評価の考え方を対比的に捉える。
第6回 学習評価の方法(1)テスト法:教師自作(作成)テストについて、客観テストや論文体テストなどの作成という演習を通じて理解する。
第7回 学習評価の方法(2)標準テスト:全国学力・学習状況調査を手がかりに標準テストの作成・実施・活用について理解する。
第8回 学習評価の方法(3)観察、評定法等:教室場面で利用されるさまざまな評価用具を具体例から理解する。
第9回 学習の評価(1)目標分類と観点別評価:目標の分類と観点別評価について考察し、具体的な評価の進め方を理解する。
第10回 学習の評価(2)新しい評価技法:自己評価やポートフォリオの評価などについて具体例を通して理解する。
第11回 学習の評価(3)知能・人格の評価:知能・適性や正確・行動の評価について、意義と評価方法を理解する。
第12回 学習の評価(4)学習指導要領と指導要録:学習指導要領の改訂と指導要録について、趣旨や改訂の要点について理解する。
第13回 カリキュラム評価や学校評価:評価の課題を、教育課程や学校経営、第6次山形県教育振興計画との関連等の広い観点から考察する。
第14回 教育評価の動向と今後の課題:ここまでの授業をもとに、成果と課題を把握し、これからの評価の在り方について考える。
第15回 期末試験(60分)とその解説(30分):評価を行うとともに、評価結果を今後の学習・指導に活かす機会とする。

【学習の方法】
・受講のあり方
学習評価を自らの問題として、また評価する側と評価される側の両面から考えてみることが必要である。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業後,学習した内容を整理してみることが大切である。

【成績の評価】
・基準
教育評価の理論を理解し、学習評価に関わる基礎的知識の習得と学習評価の技法を用いて、評価場面に適用することができるようになるのが合格の基準である。
・方法
上記の基準に基づき期末試験で評価する。目標に対応して、次のように配点し、各6割以上の得点で合格とする。①教育評価の基本事項(60点)、②学習評価の技法(20点)、③学習評価に関わる実践的な理解(20点)の合計100点

【テキスト・参考書】
テキスト:指定しない。
参考書:橋本重治(原著),(財)応用教育研究所(改訂版編集),2003年度改訂版教育評価法概説(図書文化,2003)

【その他】
・学生へのメッセージ
指導だけでなく評価にも関心をもってほしい。
・オフィス・アワー
非常勤講師であるため、連絡方法や相談方法については1回目の授業で説明する。

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