小学校理科の内容を科学的背景を考えることを通して，「科学的な見方や考え方」を実感する。
理科教育における教授法の基本である「科学の方法」，小学校の理科で取り扱う科学概念，及び観察・実験に必要な基本的知識・技術を解説する。これらを通して，小学校理科の内容や教材構成を理解するための基礎知識を身につけさせ，理科教育に対する指導・実践力を育成する。

自然現象を論理的に説明できるようになるとともに，「科学的な見方や考え方」について考えることができるようになる。また，理科の指導案の要件を理解し，指導案を作成できるようになる。

小学校理科，理科の目標・内容，理科の指導方法，自然科学的な見方・考え方

小学校教諭一種免許状取得のための教科教育法に関する科目

授業の最初に課題を提示し，その課題を学生と考えていくことを通して，自然現象の不思議さに気付くことができるようにする。

第１回：小学校理科の目標及び各学年の目標と「科学の見方や考え方」について
第２回：小学校理科の内容構成（「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」）及び基礎的自然科学概念と誤概念
第３回：区分「生命」の基礎，植物の形態における誤概念
第４回：区分「生命」の基礎，植物の分類における誤概念と科の特徴
第５回：区分「粒子」の基礎，水溶液の「濃度」における誤概念
第６回：区分「粒子」の基礎，試薬の調製法（モル濃度溶液を作るための計算方法）における誤概念
第７回：区分「粒子」の基礎，試薬の調製法（種々のガラス器具の取り扱い方）における誤概念
第８回：区分「粒子」の基礎，水溶液の性質（中和と中性について考察）における誤概念
第９回：区分「エネルギー」の基礎，豆電球の明るさ（オームの法則を用いた計算）における誤概念
第１０回：区分「エネルギー」の基礎，電流計と電圧計（オームの法則を応用してしくみを考える）における誤概念
第１１回：区分「エネルギー」の基礎，電圧と電流の測定（白熱電球の電圧・電流特性を調べる）における誤概念
第１２回：区分「地球」の基礎，月の位置や形における誤概念
第１３回：小学校理科の授業計画と指導案作成の方法
第１４回：小学校理科における教材作成の方法
第１５回：試験および授業のまとめ

小学校理科で教える内容について，大学で教える知識レベルで説明ができるように努力する。

板書事項を羅列したノート整理ではなく，自分で調べて，行間を埋めるようなノート造りをする。

・小学校理科の各学年の目標を理解し，「科学の見方や考え方」との関連を説明できる。
・小学校理科の内容において抱きやすい誤概念を自然科学概念で正しく説明できる。
・小学校理科の内容の背景となっている基本的な自然科学概念を論理的に活用できる。

主として，学期末試験の結果（65％）に基づくが、授業中の小レポート等（35％）も考慮する。

［テキスト］文部省(2008)「小学校学習指導要領解説 理科編」、大日本図書。
［参考書］小学校理科の教科書、その他は授業の中で適宜紹介する。

これまでの知識を再構築させるために，「どうして，そのように考える？」を連発した授業になるので，難しいように感じるかもしれないが，「科学の見方や考え方」の基本なので頑張ること。