教育実践Ⅱ(社会)
 Educational practice Ⅱ(Social Studies)
 担当教員:江間 史明(EMA Fumiaki)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:特別演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
小学校社会科における「自ら学び考える」授業の構成
小学校社会科では、「調べて考える」ことを重視する。「調べて発表して終わり」ではない。教師は、子どもが「考えて活用する」場を構成しなければならない。そのための授業構成について学ぶ。

【授業の到達目標】
社会科の授業場面を分析し、子どもが「考えて表現する」場をどう構成するのか。その構想と手立ての基礎を身につける。

【授業概要(キーワード)】
学び、ワークショップ型授業、社会科、コンピテンシー・ベイス

【科目の位置付け】
小学校教諭一種免許状 各教科の指導法に関する科目 必修

【授業計画】
・授業の方法
ビデオを用いた授業の事例研究をまじえて、講義する。学習指導案を書き、模擬授業を行う。
・日程
1 学びと社会科(公民的資質の基礎を養う学習指導のポイントと内容構成)
2 活動中心の授業 「明治維新の人物ランキング」の検討①
3 活動中心の授業 「明治維新の人物ランキング」の検討②(子どもは自分のペースで動いて考える)
4 資質・能力ベイスの授業づくり① 社会科における「主体的・対話的で深い学び」の実現を考える。「水・下水・ごみの学習」から
5 資質・能力ベイスの授業づくり② 表現の質をあげること。「根拠・主張・理由付け」を考える。
6 教材開発と授業のストップモーション検討(小6社会、NIE先輩の開発授業から)
7 発問中心の授業 「竹崎季長がんばる」の検討① 発問中心授業の特徴
8 発問中心の授業 「竹崎季長がんばる」の検討② 教師の教授行為の検討
9 模擬授業演習の説明、グループ分け
10 グループ活動1(主たる教材および学習課題の設定、目標の構成)
11 グループ活動2(学習指導案の作成)
12 模擬授業演習①(小学校中学年:販売の工夫、ごみの処理)
13 模擬授業演習②(日本の食料生産)
14 模擬授業演習③(ノルマントン号事件)
15 試験(模擬授業のふり返り含む)とその解説

【学習の方法】
・受講のあり方
講義では、事例について自分の意見を積極的にコメントすること。授業ビデオを見る際には、教室で参観しているつもりで、授業記録をとり、記録にもとづいて考察すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
事例の紹介と検討をセットにして進める。事例について見直して講義にのぞむこと。
配布資料を確実にファイリングすること。扱った事例の特徴と課題を、自分なりにノートに整理すること。

【成績の評価】
・基準
授業毎のコメント(講義内容と事例について)、レポート2回、学期末試験による。
社会科の授業場面を、子どもが「考えて表現する」場の構成という点から、分析し、その代替案を考えることができたか。
・方法
コメントが10%、レポート40%、学期末試験50%。である。なお、加算課題図書を指定する。希望者向けのオプションの課題である。
コメントは単なる感想ではない。具体的な考察が評価される。レポートは、共通課題図書のレポートを1つ、学習指導案のレポート1つである。レポートは、考察の具体性を評価する。学期末試験では、授業場面の分析を行う論述問題を課す。

【テキスト・参考書】
テキスト:文部科学省『小学校学習指導要領解説 社会編』平成20年8月、東洋館出版社
共通課題図書:江間史明編集『小学校社会 活用力を育てる授業』図書文化、2008、2200円

加算課題図書:
奈須正裕・江間史明『教科の本質から迫るコンピテンシー・ベイスの授業づくり』図書文化
上條晴夫、江間史明 『ワークショップ型授業で社会科が変わる(小学校)』図書文化
江間史明・吉村敏之『教師として生きるということ』ぎょうせい
江間史明 『授業に命を吹き込む技』ぎょうせい
門脇厚司 『社会力を育てる』岩波新書

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