教材開発(社会)
 Development of Teaching Materials(Social Studies)
 担当教員:江間 史明(EMA Fumiaki)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:特別演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「自ら学び考える社会科」をテーマとした教材開発(小学校)。
1 小学校社会科の教材を開発し、その指導方法を実践的に研究する。模擬授業と実験授業を行う。
2 教育実践実習Aをふり返り、小学校社会科における教材開発と児童理解の今後の課題を明確にする。

【授業の到達目標】
1 小学校社会科の模擬授業を通して、「考える材料、発問、指示、応答(反応)、評価」という授業構成のサイクルを実践する能力を身につける。
2 小学校社会科の内容を理解し、1時間の教材を開発して、プレゼンテーションを行うことができる。
3 授業記録を作成しつつ実験授業を省察し、教材開発や児童理解の課題を明確にすることができる。

【授業概要(キーワード)】
自ら学び考える社会科、模擬授業(マイクロティーチング)、教材開発

【科目の位置付け】
小学校教諭一種免許状 各教科の指導法に関する科目(教材開発研究、2科目選択)

【授業計画】
・授業の方法
受講生で4人程度のグループを構成し、小学校社会科の教材を開発する。前半は、各々のグループが、模擬授業の形式で発表し、省察を行う。後半は、教材開発のコンペを行い、最も支持を集めた教材を、小学校で授業にかける。その授業をビデオに記録し、ストップモーション方式の検討会を行う。学期末に、「教材開発研究」発表会において、開発教材を発表する。発表会後に、教材開発の取組全体の省察を行う。
・日程
1 授業内容の説明
2 グループ分けと内容決定(平成20年版で改訂された新単元を中心に)
3 グループ活動(教材の選定、目標の構成、学習指導案の作成)
4 模擬授業とビデオ検討①(小学校中学年)
5 模擬授業とビデオ検討②(小学校5年)
6 模擬授業とビデオ検討③(小学校6年)
7 グループ分けと内容決定(内容は相談して決める。2016年度はNIEをテーマとして小6の2つの教材を開発した。
8 グループ活動(教材の選定、目標の構成、学習指導案の作成)
9 教材開発コンペ(グループからの発表と相互の検討)
10 授業実施(市内公立小学校)
11 ストップモーション方式の授業検討会
12 全体発表会の準備
13 全体発表会①
14 全体発表会②
15 ふり返り(全体のふり返りと児童理解の課題の検討)

【学習の方法】
・受講のあり方
学生のグループ活動の比重が大きいので、積極的に取り組むこと。全体発表会に向けて発表資料を準備する一方、実行委員を選出し、発表会の運営にあたることになる。
・授業時間外学習へのアドバイス
常に、小学校学習指導要領(社会)に立ち戻り、子どもに実現する「価値」(教育内容)について考えること。
模擬授業や実験授業から学んだエピソードを具体的に書きとめていくこと。教師の実践的指導力は、実践の具体的な文脈と一緒に学ばれる。マニュアルのように、一般的な記述では身につかない。

【成績の評価】
・基準
模擬授業、検討(討論)、発表への参加度と、そのふり返りレポートで評価する。評価の観点は、次の通りである。
・小学校社会科の授業づくりにおける授業構成のサイクルを理解し実践できたか。
・教材開発を、独自のアイデアをもって、自立的にすすめられたか。
・授業ビデオを見たり、記録を作成したりして、授業に省察を加え、児童理解などの課題を明確にできたか。
・教材開発の取組をまとめて、発表会でわかりやすく伝えられたか。
・他者の教材開発について理解し、積極的に質問して授業づくりを協働的にすすめられたか。
・方法
模擬授業、討論、発表への取り組みが50%、レポート(2回、模擬授業のふり返りレポートと教材開発のふり返りレポート)で50%。

【テキスト・参考書】
テキスト:文部科学省『小学校学習指導要領解説 社会編』、平成20年8月、東洋館出版社
参考書:八木正一、上條晴夫『これだけは身につけたい 授業づくりの基礎・基本』 学事出版、2005年、1600円

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