知的障害児の心理研究法
 Research Methodology of Intellectual and Developmental Disabilities
 担当教員:大村 一史(OMURA Kazufumi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:2年, 3年, 4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
特別支援教育が必要な児童生徒に対する心理・行動実験の考え方・方法および得られたデータを解析する各種統計手法を演習形式で学ぶ。主に知的障害のある児童生徒と健常者の心理行動特性を比較検討する実験を通して、統計手法の基本的な考え方を身につける。卒業研究において必須の基本的な心理・行動実験の知識習得から、ソフトウェアを用いた実験の構築および実データの統計処理方法の獲得に至るまでの実践的なトレーニングを、少人数で実際に研究方法を経験する演習形式により実施する。

【授業の到達目標】
特別支援教育における科学的研究方法を演習形式で学んでいく。授業全体を通じて、卒業研究において必須の基本的な心理・行動実験の知識習得および自らソフトウェアを用いて実験を構築し、取得したデータの統計処理を行う能力を養っていく。本授業で獲得した能力を自らの研究様式に合わせて適切に運用できることを目標とする。

【科目の位置付け】
児童教育コースの発展科目として、特別支援教育における基礎的な心理研究法を習得するものである。

【授業計画】
・授業の方法
少人数で実際に研究方法を経験する演習形式により行う。
・日程
第1回: 知的障害児研究における心理・行動実験とは
第2回: 知的障害児研究における実験データの扱い方
第3回: 知的障害児心理研究と統計
第4回: 知的障害児研究における実験計画と統計的方法
第5回: 心理アセスメントの考え方
第6回: 知的障害児研究における心理検査の実際
第7回: 知的障害児の心理・行動特性理解のためのデータ解析
第8回: データ解析のための統計的基礎
第9回: 質問紙データから理解する知的障害児の心理・行動特性
第10回: 心理検査データから理解する知的障害児の心理・行動特性
第11回: 心理生理実験データから理解する知的障害児の心理・生理特性
第12回: 知的障害児研究のための実験用ソフトウェアの使用法
第13回: 知的障害児研究のための統計用ソフトウェアの使用法
第14回: 心理生理学実験:行動測定の基礎
第15回: 心理生理学実験:脳波測定の基礎

【学習の方法】
・受講のあり方
各自が自分なりの疑問を持って受講してもらいたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
○予習のあり方:
次回までの課題が出されたら、よく考えてくること。
○復習のあり方:
実習を行った内容がどのように実際の研究に応用可能かよく考えること。

【成績の評価】
・基準
実習への取り組みの積極性や課題レポートにおける論理性などを鑑みる。出席が少ない場合は不合格とする。
・方法
以下の評価の観点から、実習態度(20点)およびレポート課題等(80点)を中心に、総合的に判断し評価する。
○積極的な実習への取り組み
○基礎知識の理解
○論理的な思考力の形成
○獲得した知識の応用力への発展

【テキスト・参考書】
テキスト:
○服部環・海保博之 1996 Q&A 心理データ解析 福村出版
○松井豊 2006 心理学論文の書き方 河出書房新社
○宮谷真人・坂田省吾(代表編集) 2009 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
参考書:
○河合良訓監修 2005 脳単 株式会社NTS
○南風原朝和 2002 心理統計学の基礎-統合的理解のために- 有斐閣アルマ
○特別支援学校学習指導要領解説 2009 文部科学省

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