【授業の目的】
政治学の基礎的な概念に関する知識を深め、政治システムと政策過程を学ぶ。さらに、民主制と福祉国家はどのように誕生し変化したのか、政治を主導するのは誰か、リスク化する日本社会において政治に何を求めることができるのか、少子高齢化における福祉政策をどう改革することができるのかといった様々な問題について分析する。これら諸問題を考察することを通して、政治の在り方や日本政治と政策の課題を考える。
【授業の到達目標】
政治学の基礎的な理論と概念に関する知識を深めながら、現代の日本および国際社会における諸問題の本質を分析し、理解することを目標としている。また、私達自身が政治の一アクターとして参画するために、政治をより身近なものとして考えることのできる力を身につける。
【授業概要(キーワード)】
権力、国家、市民社会、民主主義、選挙、世論、国際社会
【科目の位置付け】
異文化交流コース基礎科目(選択) 社会・公民教員免許上必修
【授業計画】
・授業の方法
指定した参考書に記載されている概念や学説を解説し、時事問題も取り上げながら解説する。
・日程
1.はじめに(第1回) 2.政治と政治学とはなにか(第2~3回) 2-1.権力と自由 2-2.国家と社会 2-3.法と政治 2-4.リスク社会と政治過程 2-5.日本における政治学 3.民主主義国家の起源と展開(第4~6回) 3-1.民主制の思想 3-2.リベラル・デモクラシーと福祉国家の発展 3-3.非民主主義政治の在り方と革命の政治過程 4.政治過程:政治を動かすのは誰か(第7~9回) 4-1.政策形成の過程 4-2.議会制と選挙制度 4-3.政党、官僚、自治体 4-4.マス・メディアと世論 4-5.市民社会と利益団体 5.政治の現場(1):環境政策を考える(第10~11回) 5-1.戦後日本における高度経済成長と環境政策の展開 5-2.リスク社会化する日本 6.政治の現場(2)福祉政策を考える(第12回) 6-1.少子高齢化社会における介護と医療制度の諸問題 7.政治の現場(3):財政政策を考える(第13回) 7-1.予算形成の政治過程 7-2.財政赤字の諸問題と税金制度の改革 8.政治の現場(4):ジェンダーを考える(第14回) 8-1.女性と政治参画など 9.おわりに:個人と国家に求められること(第15回)
【学習の方法】
・受講のあり方
講義はスライドや板書で行うため、必ずノートをとること。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義の内容を復習して自分で深めること。また、日ごろから新聞やインターネット等さまざまなメディアに触れ、講義で学んだ事項を踏まえながら時事問題について考える習慣をつけること。
【成績の評価】
・基準
期末レポートと出席回数、さらに毎回の講義で提出を求めるコメントシートによって総合的に評価する。正規試験は行わない。
・方法
期末レポート50%、授業参加30%、コメントシート20%で評価する。
【テキスト・参考書】
参考書:川出良枝・谷口将紀編(2012年)『政治学』東京大学出版会。 苅部直・宇野重規・中本義彦編(2011年)『政治学をつかむ』有斐閣。
【その他】
・学生へのメッセージ
昨年6月から選挙権年齢が18歳になった。国際社会も大きく動くなかで、自分達が政治を動かすアクターであることを自覚しながら、現在と将来の日本が直面する様々な問題を政治学の観点から考えて欲しい。
・オフィス・アワー
希望者は講義後に申し出ること。基本的には講義のある水曜日だが、適宜お互いの都合を調整して対応する。
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