【授業の目的】
日本社会を題材とした英語文献の講読を通して、自らが自明としている日本社会に対する視座を省察し、より理解を深めるためのディスカッションを行う。
【授業の到達目標】
自らの日本社会に対する視座を相対化し、複眼的思考を身につける。 社会科学の英語文献を読解できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
日本社会論、クリティカル・シンキング、英文読解
【科目の位置付け】
この講義は、現代社会の複合的問題を読み解く力を身につけるためのものである。 異文化交流コース専門科目(選択) 社会・公民教員免許上選択科目
【授業計画】
・授業の方法
受講者による担当章の報告およびディスカッションという形式で行う。
・日程
第1回:イントロダクション・英語文献の読解法(講義) 授業の概要を説明するとともに、社会科学の英語論文を読む上での基本的な方法について解説する。 第2回:日本社会に対する視座:日本社会論(演習) 「日本社会論」と呼ばれる従来の日本社会に対する議論について 第3回:社会階層の構造(演習) 日本社会における平等・不平等の実態とそれを捉える視座について 第4回:地域差と世代差(演習) 日本社会における地域間および世代間のバリエーションについて 第5回:産業社会と労働市場(演習) 日本の産業構造と労働市場、雇用形態の特徴について 第6回:教育の多様性と画一性(演習) 日本の教育システムと教育内容の特徴について 第7回:家族とジェンダー(演習) 日本の家族制度や家族形態と、その中における女性の位置づけについて 第8回:環境問題と環境政策(演習) 日本の産業化と環境問題、および環境政策の変遷について 第9回:エスニシティとマイノリティ(演習) 日本におけるエスニシティや移民をめぐる問題について 第10回:トップ・エリート(演習) 政界、財界、マスメディアなど日本のエリート層とそのネットワークについて 第11回:大衆文化(演習) 日本の大衆文化の変遷について学ぶ。 第12回:市民社会(演習) 日本の市民参加、政治参加、団体・アソシエーション活動について 第13回:現代政治(演習) 日本の政治システムとその変容について 第14回:安全保障と平和憲法(演習) 日本国憲法と安全保障政策について 第15回:期末試験と解説(試験・講義) 期末試験を行った後、ポイントについて解説を加える。
【学習の方法】
・受講のあり方
授業内容をきちんと理解するには、予習が不可欠である。
・授業時間外学習へのアドバイス
平素から、社会現象(特に、異文化との相違)に対して興味・関心をもって生活するとよい。
【成績の評価】
・基準
自らが担当する回の報告を的確に行ったか きちんと予習をして臨み、議論に積極的に参加したか 取り上げた文献の内容を理解し、それをもとに日本社会について洞察する力が身に着いたか(期末試験) 社会科学の英語文献を的確に読解する能力が身に着いたか。
・方法
自分の担当報告(40%)、中間・期末試験(各30%)を総合的に考慮する。
【テキスト・参考書】
テキスト:Sugimoto, Yoshio, 2010, An Introduction to Japanese Society, third edition, Cambridge University Press. テキスト:Kingston, Jeff, 2011, Contemporary Japan: History, Politics, and Social Change since the 1980s, Wiley-Blackwell.
【その他】
・オフィス・アワー
研究室在室時に取り込んでいなければ対応する。
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