発達臨床心理学
 Developmental Clinical Psychology
 担当教員:藤岡 久美子(FUJIOKA Kumiko)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
・心の発達について、生涯発達の中での発達課題や起こりうる心理障害の仕組みを理解する。
・生涯発達の時間軸の中で、心理障害への援助について理解する。

【授業の到達目標】
ボウルビィのアタッチメント理論を中心に、養育者との関わりと子どもの心の発達について理解し、適切に説明できる。
精神発達病理学の知見から、人の適応・不適応への影響要因やプロセスについて考察できる。
発達の規定因として、「環境」だけでなく「遺伝」についても理解し、適切に説明できる。

【科目の位置付け】
教員免許関連科目である(高等学校「公民」の教科に関する科目「哲学、倫理学、宗教学、心理学」)。

【授業計画】
・授業の方法
事前に配付された文献資料を読み、授業中の解説及び討論により理解を深める。
・日程
第1回:発達臨床心理学とは何か 発達臨床心理学の成立と課題について概説する。
第2回:アイデンティティの生涯発達と発達段階 エリクソンの理論を中心に生涯発達の概略を示す。
第3回:親子のアタッチメント ボウルビィのアタッチメント理論を解説する。
第4回:他の人とのアタッチメント アタッチメント理論とそれに基づいた研究の展開について解説する。
第5回:アタッチメントと世代間伝達 アタッチメント理論とそれに基づいた研究の展開について解説する。
第6回:子どもの発達及びその病理と親子関係 精神発達病理学的視点から親子関係を考察する。
第7回:子どもの発達及びその病理と夫婦関係 精神発達病理学的視点から夫婦関係の子どもへの影響を考察する。
第8回:発達におけるリスク因子と防御因子・中間試験及びレポート課題の提示  縦断研究の成果からリスク因子と防御因子を考察する。
第9回:不適切な養育:虐待の発生メカニズム 虐待の発生メカニズムを概説する。
第10回:不適切な養育:虐待の影響と回復 虐待が心理発達にいかに影響するか、及び虐待からの回復過程について解説する。
第11回:子どもの心理障害への援助 諸理論の概観  子どもを対象とした心理療法の基本的な考え方について解説する。
第12回:子どもの心理障害への援助 治癒的遊びとプレイセラピー 遊びを通した治癒・治療について演習を行い、体験的な理解を図る。
第13回:発達の規定因-双生児研究からわかること1:認知機能の発達 「遺伝と環境」問題に関する最近の知見を解説する。
第14回:発達の規定因-双生児研究からわかること2:人格の発達及び病理 「遺伝と環境」問題に関する最近の知見を解説する。
第15回:まとめと期末試験 

【学習の方法】
・受講のあり方
事前に資料を読み、簡単に内容をまとめてくる。
内容の解釈や疑問点に関してディスカッションを行う。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容に関連する事項について,自主的に調べる。

【成績の評価】
・基準
中間試験及び期末試験によって、授業で扱った内容の理解と修得の程度を評価する。
レポート課題によって、知識を応用、発展する力を評価する。
・方法
中間試験(40%)及び期末試験(30%)及びレポート課題(30%)。

【テキスト・参考書】
参考書
・教育心理学Ⅱ 発達と臨床援助の心理学 下山晴彦編 東京大学出版会
・発達精神病理学 カミングス他著 ミネルヴァ書房
・遺伝と環境 人間行動遺伝学入門 プロミン著 培風館
・アタッチメント 数井みゆき・遠藤利彦編著 ミネルヴァ書房
・アタッチメントと臨床領域 数井みゆき・遠藤利彦編著 ミネルヴァ書房

【その他】
・学生へのメッセージ
積極的に発言してください。

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