【授業の目的】
映像制作の演習を行いながら基礎的な理論と技法を学ぶ。カメラ付きスマートフォン、デジタルカメラ、テレビ、プロジェクタ、PC用ディスプレイモニターなどのデジタル映像機器は、我々の日常生活において欠くことのできないものになっている。ここではそれらの映像機器を使用し、デジタルムービーを基本とした映像制作のプロセスを実際に行い体験しながら、映像機器の原理や機能、メディアの用語や技法などについて基礎的な知識と技能を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
・到達目標 (1)映像メディアやフォーマットの歴史や種類について説明できる。 (2)撮影機器を使用し、各種のカメラワークを用いた撮影操作ができる。 (3)映像編集の理論を説明し、それに基づいた編集操作ができる。 (4)音響機器を分類し、映像に適した録音や音響構成の操作ができる。 (5)特殊効果の種類や技術を説明し、映像に特殊効果を加える操作ができる。 (6)映像の上映、公開に適した機材やフォーマットを判断し、上映の操作ができる。 (7)映像の保存の技術について説明し、適切な保存の操作ができる。
【授業概要(キーワード)】
・キーワード 映像 メディア フォーマット 撮影 カメラワーク 編集 録音 音響 特殊効果 CGI ストリーミング アーカイブ
【科目の位置付け】
教科(デザイン)に関する科目。中学校・高等学校一種免許状(美術)取得の必修科目 。卒業要件上の選択科目。
【授業計画】
・授業の方法
グループワークを基本として、実際にデジタルカメラや映像編集ソフトウェア等の映像機器を用いた映像制作を行なう。制作プロセスを体験しながら、プロセスの各セクション毎に、その原理や技法を基にした映像作品制作を行い、発表と講評を行なう。
・日程
第1回:映像メディア史概説 第2回:動画フォーマットワークショップ フォーマットの種類と変換 第3回:リファレンスモニターとカラーキャリブレーション 第4回:撮影ワークショップ1 三脚の立て方とカメラの設置 第5回:撮影ワークショップ2 レンズの種類とカメラの設定 第6回:撮影ワークショップ3 カメラワーク 第7回:編集の理論と技法1 コンティニュイティ編集 第8回:編集の理論と技法2 モンタージュ理論 第9回:音響構成ワークショップ1 マイクとヘッドフォン 第10回:音響構成ワークショップ2 MA 第11回:特殊効果の原理と技術1 時間圧縮と高速度撮影 第12回:特殊効果の原理と技術2 HDRと特殊カメラ 第13回:特殊効果の原理と技術3 グリーンバック合成とマスク抜き 第14回:映像の公開 上映・放送・配信 第15回:映像のアーカイブについて
【学習の方法】
・受講のあり方
制作課題の意図を読み取り、課題に即した映像作品を時間内に制作する。グループワークにおいては主体的、積極的に制作に参加する姿勢を求められる。また、普段身近にあり、意識することも少ない「映像」というものについて、それがどのように作られているのか改めて考え直すことも必要である。
・授業時間外学習へのアドバイス
(1)授業後にレポートを課します。授業内容を踏まえたレポートを作成することが必要です。 (2)授業時間外には、自分の好きな作品だけでなく、過去の名作や近年の話題作等の多様な映像作品を積極的に鑑賞し、映像に関わる文献資料などを自主的に調べて目を通しておくことが望ましい。
【成績の評価】
・基準
映像の基礎的な理論や知識に基づいた映像作品を制作することができて、その制作意図や原理について適切に説明できることを基準とします。
・方法
課題作品の評価50点、授業参加・課題への取り組み姿勢 30点 レポート課題20点
【テキスト・参考書】
テキスト: 特にテキストは用いない。適時、プリントを配付する。
参考書・参考資料等: ・グラスバレー株式会社(EDIUSWORLD.COM作成チーム)(著)、ビデオサロン編集部(編著)「新版 映像制作ハンドブック」(玄光社MOOK) ・西村雄一郎(著)「一人でもできる映画の撮り方」(洋泉社)
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業は必ずしも映像制作者になる人だけを対象にしているわけではありません。「映像」とは見ただけで分かってしまったかのように感じさせる特性を持っています。かつてないほど「映像」が日常に溢れている現在、もう一度深く「映像」というものについて見つめ直しみることは案外難しく、しかし有用なことです。その難しさの一端でも感じられれば、履修の意味があったと言えるでしょう。
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