絵画B
 PrintingB
 担当教員:八木 文子(HUMIKO Yagi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
・「型」の特性と版構造、版形式の分類と版種、物質的な現れ方の相違を理解し、多様な表現効果が素材と関わりあうことへの理解を深めることを目的とする。
・版表現が有する「複数性」においての版画史上の役割と今日的現代版画への移行と現状を把握することを目的とする。
・金属凹版画の版構造と物理的効果を意図した制作プロセスを理解し、イメージの構想に結びつける発想力を育むことを目的とする。
・素材の抵抗感と摩擦、形象をポジの状態で刻み付ける描画行為における判断力と構想を具現化する創造力の向上を図る技能を養う。

【授業の到達目標】
・創造、記録、伝達の意思として発展し時代の必然的テクノロジーに応じて発祥した技術としての文脈と金属凹版画の技法を説明できる。
・間接的な表現から明快な客観性を通して成り立つイメージとしてのアイデンティティにアクセスし、創造できる。。
・マチエールに物理的価値を感じることができ、技法の科学的知識を適切に判断し高度な総合的判断力として応用できる。

【授業概要(キーワード)】
間接表現、転写、腐蝕、プレス

【科目の位置付け】
この授業は実習・演習を通して「文化の伝達」と「造形理論と表現」の能力を培い、表現ジャンルの専門的知識と高度な技能を効果的且つ段階的に身につけるものである。(地域教育文化学部のディプロマポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
・毎回の銅版画技法講義と実技演習を通じて、版構造理解と技術を体得する。
・日程
第1回:「版」の歴史的発祥、発展及び複数性と記録、簡便性、複数性、廉価性等の性質から日常的メディアとしての役割を把握する。(講義)
第2回:版形式と版種、および構造と性質を把握する。技法の歴史的背景と直接・間接の技法における表現の差異を把握する。(講義)
第3回:間接技法①版研磨、プレートマーク、防蝕シートの処理を行う。原寸大のエスキースを作成する。(演習)
第4回:間接技法②防蝕液ハードグランドの塗布、テーパーによる画面保護について演習をおこなう。(演習)
第5回:間接技法③エスキースからの転写方法を演習する。加筆、修正の方法と使用材料について把握する。(演習)
第6回:間接技法④道具と溶剤についての用途と名称を把握する。(演習)
第7回:間接技法⑤薬剤の科学元素記号と化学式、時間と腐蝕の関係と制御について(演習)
第8回:間接技法⑥アクアチント技法について演習、講義する。面とグラデーション、スピットパイトの実践を行う。(演習)
第9回:間接技法⑦シュガーアクアチント、リフトグランドのディープエッチングへの展開、シルクスクリーン技法との併用。(演習)
第10回:間接技法⑧プレス機と紙、インクについて演習、講義する。試刷りとステートを実践する。(演習)
第11回:間接技法⑨一版多色刷と雁皮刷を実践する。(演習)
第12回:直接技法①エングレーヴィング・ドライポイント・メゾチントについて紹介する。(演習)
第13回:直接技法②コラグラフとの併用、二版刷について紹介する。(演習)
第14回:作家、作品を紹介し鑑賞する。(講義)
第15回:全体講評会を行う。改善点について討議する。(講義)

【学習の方法】
・受講のあり方
・テキストを確認しながら講義ノートに記録し、まとめる。
・過程におけるエラーをあわせて記録し、制作に反映させる。
・授業時間外学習へのアドバイス
・画集や文献を活用し、視覚と知識の収集に努める。

【成績の評価】
・基準
・版構造と分脈の理解、実践への必然的判断力、描画技術力と技術応用力の総合的完成度、受講状況、制作に取り組む態度を基準に評価します。
・方法
・銅版画技法解説レポート 50点
・銅版画演習提出作品 50点

【テキスト・参考書】
随時配布

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