絵画論
 Theory of Painting
 担当教員:小林 俊介(KOBAYASI Syunsuke)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「素材・技法」,「造形思考」,「制作の現場」という観点から絵画表現を分析し,西洋絵画ならびにアジアならびに日本の伝統絵画の具体的作例を参照しながら,絵画の構造と表現の関係について概説する。受講者の理解を深めるために,レポート発表およびディスカッションを行う。また具体的作例の模写(部分模写を含む)を求めることがある。

【授業の到達目標】
絵画の材質・技法と表現,造形思考と表現,絵画制作の実際について論理的・実践的な理解を深める。
・絵画の組成と表現について技法材料学的観点から理解し説明できる。
・絵画における造形思考と表現について作例を中心に説明できる。
・絵画制作の実際について造形的専門用語を適切に用いて論理的に表現できる。

【授業概要(キーワード)】
絵画 技法・材料 油彩 膠 テンペラ 支持体 イコノロジー リアリズム フォーマリズム モダニズム 視覚 身体 

【科目の位置付け】
造形芸術コースの専門科目であり、学生が目指す表現ジャンルや職業生活の実務に対応できるような基礎的な知識や技能を与えるものである。(地域教育文化学部造形芸術コースカリキュラムポリシー)。なお原則として「絵画技法演習」と併せて履修すること。
※教科に関する科目(中学校及び高等学校 美術)

【授業計画】
・授業の方法
講義および討議、プレゼンテーションを組み合わせて行う。
・日程
第1回:オリエンテーション,および,「絵画」の概念について
第2回:絵画の素材と表現:支持体,媒材,顔料
第3回:絵画の技法と表現(1):テンペラ画と油彩画
第4回:絵画の技法と表現(2):直接描法・プリマ画と間接描法
第5回:絵画の技法と表現(3):膠彩画,水彩画,アクリル画(合成樹脂絵画)
第6回:学習の中間まとめとしてのレポート発表と討議,ならびにその解説と講評
第7回:造形思考と表現(1):絵画におけるナラティブ ,イコノロジー/イコノグラフィー
第8回:造形思考と表現(2):絵画におけるスピリチュアリティ
第9回:造形思考と表現(3):ミーメーシス,リアリズム,アフォーダンス
第10回:造形思考と表現(4):線的と絵画的,フォーマリズムとモダニズム,拡張された絵画
第11回:造形思考と表現(5):絵画と装飾,絵画とリズム,絵画と時間
第12回:学習の中間まとめとしてのレポート発表と討議,ならびにその解説と講評
第13回:制作の現場と表現(1):絵画における視覚と身体,光覚的と手覚的
第14回:制作の現場と表現(2):錬金術と(しての)絵画
第15回:学習のまとめとしてのレポート発表と討議,ならびにその解説・講評

【学習の方法】
・受講のあり方
・パワーポイントで示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努め
る。
・積極的に討議に参加する。
・授業時間外学習へのアドバイス
・出来うるかぎり美術館などで参考作例にふれるとともに、図書館などで参考作例や関連事項を調査する。

【成績の評価】
・基準
絵画の材質・技法と表現,造形思考と表現,絵画制作の実際についての論理的・実践的な理解度。
・方法
プレゼンテーションおよびレポート(60%),討議内容,作例模写(40%)によって総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
参考書・参考資料等
松浦寿夫・岡崎乾二郎『絵画の準備を!』朝日出版社,2006年,『グリーンバーグ批評選集』(勁草書房,2005年),ジル・ドゥルーズ『感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論』(法政大学出版局,2004年),『芸術理論の現在―モダニズムから』(東信堂,1999年),James Elkins,What Painting Is: How to Think About Oil Painting, Using the Language of Alchemy,Routledge,New York,1998.青山昌文『美と芸術の理論』(放送大学教育振興会,1992年),『芸術学ハンドブック』(勁草書房,1989年),佐藤一郎『絵画技術入門』(美術出版社,1988年),『マックス・デルナー 絵画技術体系』(美術出版社,1988年),『ギブソン 生態学的視覚論』(サイエンス社,1985年),ほか適宜紹介する。

21131430-2017-08-20727