工芸科教育法
 Methodology of Teaching Crafts Production
 担当教員:齋藤 学(SAITO Manabu)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
工芸科教育の歴史および今日的な教科の状況と芸術教科のなかで「工芸」が単独科目として設置されることの意義について理解し,生涯に渡って工芸を愛好する姿勢を培うための授業や教師のありかたについて把握する。
工芸科教育の史的変遷に関する概説と,学習指導要領及び教科書の比較を通して芸術科工芸の目標について理解するとともに,これまでの工芸についての学びの確認と、さまざまな教育実践例の考察を通して,工芸指導の要件について理解を深める。あわせて、基本的な題材を例に指導案を作成し模擬授業を行う。

【授業の到達目標】
①:工芸科教育の目標を理解し、内容や方法について説明することができる(指導案の作成と模擬授業の実施を含む)。②:工芸科教育の状況(史的変遷を含む)を捉え,望ましい教師像や今日的課題について持論を説明することができる。

【授業概要(キーワード)】
工芸科教育,デザイン教育,教育史

【科目の位置付け】
高等学校一種免許状(工芸)取得のための「教科教育法」(必修)に該当

【授業計画】
・授業の方法
講義と各回授業テーマに沿った討議
・日程
第1回:オリエンテーション 工芸・デザインに関する学習経験調査と授業計画について説明する。
第2回:学習指導要領と工芸教育① 教育基本法と新学習指導要領の改訂要旨について概説する。(講義)
第3回:学習指導要領と工芸教育② 新旧学習指導要領の比較(新・旧工芸)と考察。(演習)
第4回:学習指導要領と工芸教育③ 芸術科学習指導要領の比較(工芸:美術・音楽・書道)と考察。(演習)
第5回:工芸科教育の現状について教科書(小学図工,中学美術,技術・家庭科を含む)を例に概説する。(講義)
第6回:工作教育の史的変遷(手工教育[戦前]と工作教育[戦後]及びデザインと工芸)について概説する。(講義)
第7回:工芸科教育の目標と今日的状況についてのまとめ(小テストと解説)
第8回:工芸の授業要件① 工作経験と学習機会(授業及び課外活動)について考察する。(演習・討議)
第9回:工芸の授業要件② 学校教育における共通理念と工芸学習の特徴について考察する。(演習・討議)
第10回:工芸の授業内容① 表現題材としての「身近な生活と工芸」及び「社会と工芸」について概説する。(講義)
第11回:工芸の授業内容② 「構想と制作」「材料と用具」「手順と技法」について概説する。(講義)
第12回:工芸の授業内容③ 鑑賞題材としての工芸及びデザインの特徴について概説する。(講義)
第13回:工芸の授業内容⑤④ 工芸及びデザインの知的財産権に関する学習意義と事例にについて概説する。(講義)
第14回:「身近な生活と工芸」を例に表現および鑑賞の内容を含む指導案を作成する。(演習・討議)
第15回:「身近な生活と工芸」を例に表現および鑑賞の内容を含む模擬授業を行なう。(演習・討議)

【学習の方法】
・受講のあり方
制作者ではなく指導する立場から、客観的に「つくる」行為を捉える意識が大切です。
・授業時間外学習へのアドバイス
課題に即した翌週の授業資料を配付します。予め内容を把握し、自分の視点(感想・意見)を持って臨むこと。
授業の要点や討議記録をまとめことで理解を深め、自身の授業構想の方向性を見出していく。

【成績の評価】
・基準
到達目標①②を評価の観点として,小テスト(レポート含):50%,指導案:25% ,模擬授業(自評及び相互評価):25% を総合的に評価する。
・方法
レポート:目標②について2課題, 小テスト:目標①を中心に重要用語の確認など2回程度

【テキスト・参考書】
テキスト:新・高等学校学習指導要領解説 芸術(音楽 美術 工芸 書道)編,文部科学省」,日本文教出版株式会社
参考書:旧・高等学校学習指導要領解説 芸術(音楽 美術 工芸 書道)編,文部科学省,教育芸術社/高等学校「工芸I」・「工芸II」日本文教出版株式会社/宮脇理 監修『ベーシック造形技法』建帛社 ほか適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
中学校一種免許状(美術)取得予定者においても、デザイン・工芸領域の教育観が深まる内容です。
工芸Aおよび工芸と文化を受講していることが望ましい。
・オフィス・アワー
随時

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