工芸C
 Craft Production C
 担当教員:齋藤 学(SAITO Manabu)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
工芸やプロダクト制作における社会的要件について深く理解し,造形的形態の工夫と社会的諸要件を設計に反映させ,その設定条件に応じた適切な材料・工法を選択し制作できる,一連のデザインマネジメントの手法を修得する。
身近な生活用品「スツール」の制作を通して,座具の形態と要件の関係(使用場面・人間工学・耐力構造等)について理解し,あわせて地域産業である成型合板家具等の調査(鑑賞)を行い生産性に関する知識を深め,工芸やプロダクト制作の実践力の高度化を図る。

【授業の到達目標】
①:座具の形態と社会的要件の関係(使用場面・人間工学・耐力構造等)について説明できる。
②:各種材料の特性を理解し,社会的要件に適った設計ができる。
③:材料と工法の関係を理解し,実用強度を持った座具を制作することができる。

【授業概要(キーワード)】
椅子と座位、機能と形態、人間工学、成型合板

【科目の位置付け】
工芸表現(ものづくり)における実践的学習

【授業計画】
・授業の方法
・ものの機能や、もののありかたを考えてデザイン、制作する学習です。
・日程
第1回:オリエンテーション,工芸やプロダクト制作の社会的要件と造形的形態の関係について(講義)
第2回:社会的要件と造形的形態の関係①「使用場面と形態・材質」に関する概説と製品調査(演習・討議)
第3回:社会的要件と造形的形態の関係②「人間工学と耐力構造」に関する概説と製品調査(演習・討議)
第4回:社会的要件と造形的形態の関係③「製作工程と生産性」に関する概説と生産現場の実地調査(演習)
第5回:身近な生活用品「スツール」の設計① 形態の構想[アイディアスケッチの作成](演習・討議)
第6回:身近な生活用品「スツール」の設計② 形態の考察[縮尺モデルの作成](演習・討議)
第7回:身近な生活用品「スツール」の設計③ 形態の検証「外観図の作成(原寸)」(演習・討議)
第8回:身近な生活用品「スツール」の設計④ 形態の設計「製作図の作成(原寸)」(演習・討議)
第9回:身近な生活用品「スツール」の制作①「木取り」と各部材の製材(演習)
第10回:身近な生活用品「スツール」の制作② 部材加工[座面・接ぎ合わせ(雇核接ぎ・丸鋸盤)](演習)
第11回:身近な生活用品「スツール」の制作③ 部材加工[脚部・組接ぎ(?組み)](演習)
第12回:身近な生活用品「スツール」の制作④ 部材加工[座面・組接ぎ(?穴加工・角鑿盤)](演習)
第13回:身近な生活用品「スツール」の制作⑤ 部材加工 組立・面取り加工(演習)
第14回:身近な生活用品「スツール」の制作⑥ 仕上げ研磨・塗装(オイルフィニッシュ)(演習)
第15回:使用感及び形状の評価と講評(演習・討議)

【学習の方法】
・受講のあり方
地域の産業や生産技術など、対社会的内容を含んだ課題に関心を深めていく意志が必要です。学習の定着を図るために、各回・各行程のポイントを写真等で記録するよう心がけること。制作は履修者相互に協力した共同制作(作業)を一部含みます。
・授業時間外学習へのアドバイス
実制作を中心にした演習のため時間が限られています。授業の中でアイディアを考える余裕はありません。授業時間外に積極的な情報収集が必要です。計画性を持って学習に取り組んでください。
授業時間内に完成することはありません。授業時間以外に週3時間以上の制作時間を確保すること(原則として木曜の7・8時限目を充ててください)。また、スケッチ、模型、製図等の制作は、必ず授業時間外におこなってください。

【成績の評価】
・基準
明快なデザインコンセプトが説明できること。
具現化のために必要な設計および効果的な作業計画を立案できること。
計画に基づいた制作を遂行し、完成作品を検証すること。
・方法
上記の到達目標①②③を評価の観点として,調査レポート:20%,スツール作品(スケッチ・縮尺モデル・図面を含む):80%を総合的に評価する

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜配布
参考書:橋本喜代太・成田寿一郎『木工の接合工作』理工学社、鳥海義之助『椅子 構造とデザイン』理工学社、井上昇『椅子 人間工学・製図・意匠登録まで』 ほか適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
ものづくりに対する情熱を強くもってください。
「図法・製図」を履修済みであることが望ましい。*製図道具、道具類(鉋・鑿)、材料、作業に適した身支度を要す。
・オフィス・アワー
随時

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