平面造形基礎
 Basics of Painting
 担当教員:小林 俊介(KOBAYASI Syunsuke)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
・素描と着祭の実技を通じて、絵画実技の基礎について理解する。

【授業の到達目標】
・視覚芸術の思想的背景である西洋思想の文脈を読み取りながら、絵画の歴史的背景を学び、絵画技術の基礎となる「視覚」の構造と役割について考究する。
・美の基準となる要素である形体、明暗、色彩の仕組みを絵画手法と関連付けて学習する。
・作図法による構成を理解、分析し、表現に活用するための技術として習得する演習内容を行う。

【授業概要(キーワード)】
・西洋絵画,プロポーション,比例,遠近法,光,色,メディウム,支持体

【科目の位置付け】
造形芸術コースの基礎科目であり、学生が目指す表現ジャンルや職業生活の実務に対応できるような基礎的な知識や技能を与えるものである。(地域教育文化学部造形芸術コースカリキュラムポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
講義および演習
・日程
第1回:オリエンテーション[八木・小林・土井] 。および,「視覚」行為の意義と「描く」行為との関係性(講義)[八木]。アリストテレスの「形而上学」、ヴァザーリ「芸術家列伝」、プラトンからの美学「ミーメーシス(再現的模倣)芸術」について検討する。
第2回:「比例(プロポーション)」における基準について考察する(その1)(講義)[八木・土井]。古代エジプト芸術における倍数単位の人体比例を考察する。
第3回:「比例(プロポーション)」における基準について考察する(その2)(講義)[八木・土井]。古代ギリシア及びルネサンス芸術の対位法(コントラポスト)を考察する。
第4回:「様式史の投影としての比例論」の展開(演習)[八木・土井]。人体画像をグリッドで倍数単位の比例(グリッド)を用いて再構成する。
第5回:「遠近法(パースぺクティブ)」における作図法(その1)(講義)[八木・土井]。西洋絵画における透視図法として確立した幾何学的作図法をについて作例を基に考察する。
第6回:「遠近法(パースぺクティブ)」における作図法(その2)(演習)[八木・土井]。風景画像を作成した一点透視図法および二点透視図法作図に基づいて再構成する。
第7回:「透視図法」と「視覚」の図像解釈学(イコノロジー)について考察する(講義)[八木・土井]。パノフスキーの図像学、セザンヌの静物画(デフォルマシオン)、エッシャーの画面構成を考察する。
第8回:学習全体の中間まとめとしての定期試験およびその解説[八木・土井]
第9回:「光と色」:色のみえる仕組みと絵具によるその表現を概説する(講義)。[小林]
第10回:「見るため,描くためのメディウム」(講義):絵具の媒材および支持体について概説する(講義)。[小林]
第11回:「絵具の媒材および支持体の実験制作」(その1)(演習):布画の支持体の制作 [小林]
第12回:「絵具の媒材および支持体の実験制作」(その2)(演習):板画の支持体の制作 [小林]
第13回:「絵具の媒材および支持体の実験制作」(その3)(演習):テンペラ媒材の制作 [小林]
第14回:「絵具の媒材および支持体の実験制作」(その4)(演習):試行的描画 [小林]
第15回:学習全体のまとめとしての期末試験,制作講評とその解説 [小林]

【学習の方法】
・受講のあり方
・ノートを持参し板書事項を記録し理解に努める。
・手順を確認し材料用具を確認して制作を行う。
・授業時間外学習へのアドバイス
美術館などで出来うるかぎり実作品にふれるとともに、図書館やインターネットで参考作例を鑑賞するとともに、図書館などで参考書を調査する。

【成績の評価】
・基準
・絵画における基礎的な理論的理解力
・講義内容の理解度と演習内容の工夫
・方法
・製作過程の工夫(20%),提出作品・レポート(80%)を総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
テキスト:なし
参考書:美術出版社「絵画技術入門」佐藤一郎著,ほか適宜紹介する。

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