立体造形基礎
 Elements Art & Design in the Three-Dimensional Expression
 担当教員:齋藤 学(SAITO Manabu),土井 敬真(DOI Hiromasa)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
①日常製品の材料として身近に触れている「紙」と「土」を材料として、様々な幾何学形態を制作・考察しながら数理的な立体美の世界を探求する。「紙」と「土」がもつ素材の加工特性に着目し、基礎的な加工知識と技術(フォルムとモデリングの関係)を学ぶ。[*土井担当]
②「紙」と「土」に次いで身近な素材としての「木」の材料特性について概説し、その特性を生かした加工技術について、精度や強度を考察しながら計画的な制作方法(手順)を探求する。また、接合に用いる各種接着剤の硬化特性について、様々な材料・形状の条件下での制作実験を通して、使うためのデザイン制作に向けた基礎的な知識と加工技術を学ぶ。[*齋藤担当]

【授業の到達目標】
・立体表現に用いる基本的な材料と道具の特性を生かして、デザインや構成の基礎的表現ができる。
①幾何学形態の制作を通して、「紙」と「土」の材料特性を生かした立体構成の基礎的表現ができる。
②「木」の材料特性と「接着剤」の硬化特性を生かして、使うためのデザインの基礎的表現ができる。

【授業概要(キーワード)】
技法、材料、道具

【科目の位置付け】
デザイン分野の基礎的演習/中学校・高等学校一種免許状(美術)取得に必修

【授業計画】
・授業の方法
2名の教員による基礎演習
・日程
第1回:オリエンテーション及びデジタルカメラを用いたドキュメンテーション制作の説明[齋藤・土井]
第2回:「紙」を用いた立体の制作1/1枚の紙から~多面体の構築[作品構想・試作](演習)[土井]
第3回:「紙」を用いた立体の制作2/1枚の紙から~多面体の構築[組み立て・本制作](演習)[土井]
第4回:「紙」を用いた立体の制作3/1枚の紙から~多面体の構築[講評・考察](演習)[土井]
第5回:「土」を用いた立体の制作1/一塊の土から~フォルムの構築[作品構想・試作](演習)[土井]
第6回:「土」を用いた立体の制作2/一塊の土から~フォルムの構築[組み立て・本制作](演習)[土井]
第7回:「土」を用いた立体の制作3/一塊の土から~フォルムの構築[講評・考察](演習)[土井]
第8回:「接着剤」の特性と加工技術1/主剤と溶剤および硬化特性に関する実験と解説(演習)[齋藤]
第9回:「接着剤」の特性と加工技術2/接着面の平滑さと面積に関する実験と解説(演習)[齋藤]
第10回:「接着剤」の特性と加工技術3/ “線材”をテーマに材料特性を生かした立体構成と講評(演習・討議)[齋藤]
第11回:「接着剤」の特性と加工技術4/ “集合”をテーマに材料特性を生かした立体構成と講評(演習・討議)[齋藤]
第12回:「木」を用いた立体の制作1/材料特性と加工技術を知るための工具の使用と解説(演習)[齋藤]
第13回:「木」を用いた立体の制作2/使うためのデザインに必要な加工精度高めるための工夫と検証(演習)[齋藤]
第14回:「木」を用いた立体の制作3/使うためのデザインに必要な強度高めるための工夫と検証(演習・討議)[齋藤]
第15回:ドキュメンテーションを基にした発表と講評(演習・討議)[齋藤・土井]

【学習の方法】
・受講のあり方
幾何形態をテーマとし、数理的な世界に存在する造形の美を感じ取る。また、制作過程において、素材自体や手の巧緻性を高めること(加工精度や強度の探求)の中にも造形の美を感じ取る姿勢が大切。
・授業時間外学習へのアドバイス
幾何形態に関する本を事前に読んでおくことが望ましい。また、身の周りの“もの”が、どのようなかたちや素材できているか日頃から意識的に観察することが大切。1度目の制作で納得できなければ、より精度を上げてのリトライや、紙や木を素材に授業で制作した以外の形態にもチャレンジして欲しい。

【成績の評価】
・基準
各提出作品と課題の制作過程から①総合的なデザイン力(造形的発想力、制作の工夫など)【50%】、②技術的評価(材料、技法、道具に関する理解)【50%】を観点として評価する。
・方法
齋藤担当課題(50%)、土井担当課題(50%)

【テキスト・参考書】
テキスト:必要に応じて適宜資料を配付する。
参考書:「芸術・デザインの立体構成」朝倉直巳著(六燿社)/「紙 基礎造形・芸術・デザイン」朝倉直巳著(美術出版社)/「遊びの博物誌」坂根厳夫著(毎日新聞社)/「図画工作の基礎基本 用具・材料のあつかい方」(開隆堂出版)

【その他】
・学生へのメッセージ
紙という身近な素材を用いて、プラトンの立体(正多面体)の美しさと面白さについても学んでみよう。また、課題で使った材料を別な材料で置き換えてつくったらどうなるか、好奇心と創造する力も養おう。基礎的な数学知識の確認と、材料や道具(服装を含む)等についても事前に準備してもらいます。

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