地圏環境科学実験B
 Environmental Earth Science Laboratory B
 担当教員:大友 幸子(OHTOMO Yukiko)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:実験
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地表環境を構成する地質や地史について観察手法を学ぶ.

【授業の到達目標】
1)島弧火山について理解する。
2)山形県内の地質概要について説明できるようになる。
3)遺存種(生きている化石)について説明できるようになる。
4)宮沢賢治の文学の舞台となった場所を訪れて,その中に取りあげられている地学的要素について理解する.

【授業概要(キーワード)】
火山,地質,地形,岩石,地層

【科目の位置付け】
地表環境を構成する地質を観察・分析する基礎的能力を,野外調査や室内実験をとおして身につける。

【授業計画】
・授業の方法
野外実習・室内実験の形式で実施する.最初のオリエンテーションにおいて,日程を相談します.
・日程
第1回:オリエンテーション、鳴子火山と鬼首カルデラ(解説)  第2回:野外巡検:鳴子火山(溶岩ドーム,火口湖の観察)
第3回:野外巡検:鬼首カルデラ(カルデラ地形,カルデラ堆積物の観察)第4回:野外巡検:地熱地帯(地熱発電所周辺の間欠泉,変質帯観察)
第5回:岩石薄片の製作(カルデラ壁をつくる花崗岩)  第6回:空隙の多い岩石の薄片製作(鳴子火山のガラス質のデイサイト)
第7回:偏光板および偏光顕微鏡の使用方法  第8回:花崗岩の偏光顕微鏡観察
第9回:デイサイトの偏光顕微鏡観察  第10回:花崗岩,デイサイトの岩石記載をまとめる(コンピューター使用)
第11回:山形県内の地質,地形(解説)  第12回:野外巡検:ジュラ系箱ノ口層,岩船花崗岩の観察
第13回:野外巡検:中新統北小国層,眼鏡橋層の観察  第14回:野外巡検:中新統明沢層,沼沢層の観察
第15回:クリノメーターを使った公園のルートマップ作成   第16回:林道でのルートマップ作成
第17回:コンピューターを使って,ルートマップをまとめる  第18回:ベントナイトの性質とベントナイト鉱山(解説)
第19回:野外巡検:ベントナイト鉱山(大江町クニマイン)の見学 第20回:野外巡検:ベントナイトの製品化過程の見学(建築用,猫砂用)
第21回:宮沢賢治の童話「台川」「楢ノ木大学士の野宿」の地学に関する題材の解説  
第22回:野外巡検:宮沢賢治記念館とイギリス海岸の見学  第23回:野外巡検:北上低地帯と周辺の地形見学
第24回:野外巡検:台川沿いの地質見学  第25回:野外巡検:旧東北砕石工場(石と賢治のミュージアム)と南部北上帯の石灰岩の見学  
第26回:遺存種(生きている化石)について調べる(コンピューター使用)  第27回:遺存種の観察(八木山動物園)
第28回:石材として使われる岩石の観察(解説)  第29回:野外巡検:街の石材調査
第30回:石材調査結果についてデータをまとめる(コンピューター使用)

【学習の方法】
・受講のあり方
野外でも室内でも,説明をしっかり聞き,積極的に観察して,質問があればその場で。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に配布する資料を予習してくるだけでなく,下調べをして授業に臨んでください。

【成績の評価】
・基準
1)レポートは,課題を把握し,論理的に考察しているか。
2)スケッチは,観察視点を正確と描写しているか。
3)意欲的,探究的に実習に取り組んでいたか。
・方法
提出された課題レポートによって,その学習到達度を判定する。

【テキスト・参考書】
見学資料と地形図を事前に配布します。
【参考書】
山形県 地学ガイド コロナ社
ニューステージ 地学図表 浜島書店
加藤碵一(2006)宮沢賢治の地的世界.愛智出版

【その他】
・学生へのメッセージ
新しい知見を広げてください。
なお火山の状況等により,巡検地を変更する場合があります.

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