環境地質学実習B
 Experiment in environmental geology B
 担当教員:大友 幸子(OHTOMO Yukiko)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:実習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地形,地層,岩石の現地観察を通して,日本列島中央部の地質構造発達史を理解する。

【授業の到達目標】
日本列島中央部の地質・岩石・地形観察を通して,野外観察の技術を身につける。
1)断層地形,地滑り・崩壊地形等が地図上および現地で説明できるようになる。
2)地質体を構成する岩石や地層を観察して、説明できるようになる。
3)日本列島の基盤を構成する地質体と構造,地質構造発達史を理解する。

【授業概要(キーワード)】
地質,岩石,地形,地層,断層,堆積岩,火成岩,変成岩,地質構造発達史

【科目の位置付け】
野外観察を行って日本列島中央部の地質・岩石・地形を主体的に学ぶ。実地体験を通じて,大地を構成する地質体について幅広い知識を身につける学習への基盤となる力を養う。

【授業計画】
・授業の方法
野外実習。長野県伊那市高遠〜大鹿村および新潟県糸魚川市で,地形・地質観察と地質調査の方法を実習する。地学系の博物館も見学する。
日程:8月3日(木)〜7日(月) 費用:35000円くらい(マイクロバス交通費宿泊費等のめやす.なお費用は参加人数により変動)
・日程
西南日本の帯状配列する地質体を横断して,いろいろな岩石・地層を観察する。また,フォッサマグナと糸魚川—静岡構造線も観察する.
第1回:オリエンテーション、見学対象の概要説明
第2回:事前学習(日本列島の基盤地質および地質構造)  第3回:事前学習(フォッサマグナと糸魚川—静岡構造線)
第4回:事前学習(岩石および岩石の変形)  第5回:低圧高温型変成岩(領家変成岩)  第6回:高圧低温型変成岩(三波川変成岩)
第7回:領家帯の花崗岩  第8回:三波川帯の超塩基性岩  第9回:美和湖周辺の中央構造線(断層露頭・地形)
第10回:中央構造線の断層岩類(マイロナイト,カタクレーサイト)  第11回:三峰川の段丘礫層と段丘地形
第12回:戸台層(白亜系)から産出する化石(長谷公民館)  第13回:長野県中央部の糸魚川—静岡構造線(地形)
第14回:ジュラ紀付加体(美濃帯・秩父帯)  第15回:閃緑岩床のブーダン構造
第16回:大鹿村の中央構造線断層地形  第17回:大鹿村の地滑り地形・崩壊地形  
第18回:伊那谷の段丘地形  第19回:小谷村郷土館(ジュラ系来馬層の恐竜足跡化石)  
第20回:飛騨外縁帯の青海石灰岩(ウミユリやサンゴの化石採集)  第21回:飛騨外縁帯の高圧低温型変成岩と蛇紋岩
第22回:ヒスイ輝石岩  第23回:糸魚川市の糸魚川—静岡構造線(断層露頭および断層地形)
第24回:飛騨外縁帯の塩基性岩(変ハンレイ岩)  第25回:新第三紀の枕状溶岩
第26回:玄武岩の放射状節理  第27回:糸魚川の海岸礫採集(堆積岩,火成岩,変成岩の岩石標本作成)
第28回:博物館見学(大鹿村の中央構造線博物館・糸魚川市のフォッサマグナミュージアム)
第29回:博物館見学(糸魚川市のフォッサマグナミュージアム)  第30回:コンピュータを利用しての観察結果のまとめとレポート作成

【学習の方法】
・受講のあり方
現地での徒歩での移動・集合は集団で迅速に。説明をしっかり聞き,積極的に観察して,質問があればその場で。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に配布する資料を予習してくること。観察した結果を全体および場所ごとにまとめること。

【成績の評価】
・基準
1)レポートは,課題を把握し,論理的に考察しているか。  2)スケッチは,観察視点を正確と描写しているか。
3)意欲的,探究的に実習に取り組んでいたか。
・方法
提出された課題レポートによって,その学習到達度を判定する。

【テキスト・参考書】
見学資料と地形図を事前に配布します。【参考書】見学地の参考となる本は以下のとおり。
植村 武・山田哲雄編,日本の地質4 中部地方 I(共立出版,1988)
河内ほか著,地域地質研究報告 5万分の一図幅 市ノ瀬地域の地質(地質調査所,1983)
牧本ほか著,地域地質研究報告 5万分の一図幅 高遠地域の地質(地質調査所,1996)
フォッサマグナミュージアム,よくわかるフォッサマグナとひすい(2004)
高木秀雄,中央構造線とマイロナイト,大鹿村中央構造線博物館(1993)

【その他】
・学生へのメッセージ
新しい知見を広げるとともに,楽しい思い出にしてください。

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