生物学野外実習
 Biological Field Practice
 担当教員:竹原 明秀(TAKEHARA Akihide)
 担当教員の所属:地域教育文化学部非常勤講師
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:1.5単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
蔵王連峰における植生の観察と植物群落構造の調査方法
東北地方の大部分の地域は,冷温帯落葉広葉樹林帯に属している。その代表的植物群落であるブナ林と,その上部に発達する亜高山帯針葉樹林,高山帯ハイマツ低木林及び高層湿原を備えた蔵王連峰において,植生の垂直分布構造及びブナ林の群落構造の調査・解析に関する実地実習を行うとともに,冷温帯落葉広葉樹林帯を構成する植物種について学修する。

【授業の到達目標】
蔵王連峰における垂直分布構造を構築する植物群落の実地実習を通し,植物群落の生存戦略と生育環境との関わりを理解・説明できるとともに,冷温帯落葉広葉樹林帯に出現する植物種の代表種を・同定できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
植物の垂直分布,蔵王連峰の植生,植物群落の構造

【科目の位置付け】
中学校教諭・高等学校教諭一種免許状取得のための科目(教科に関する科目)

【授業計画】
・授業の方法
山形大学蔵王山寮を利用し,夏期休暇中に集中して行う。担当教員の説明や提示資料をもとにして,個人またはグループで実習の作業を行なう。
現地までの往復交通費及び宿舎宿泊費は自己負担となる。
・日程
第1回:実習の概要と植物生態学とは
第2回:植物群落の垂直分布構造とは
第3回:垂直分布構造解析のための基本的な植物種の観察
第4回:植物群落の垂直分布構造の調査(ブナ林の植生観察)
第5回:植物群落の垂直分布構造の調査(亜高山帯の植生観察)
第6回:植物群落の垂直分布構造の調査(森林限界,高山帯の植生観察)
第7回:高層湿原とその植生の調査
第8回:蔵王連峰における植物群落の垂直分布構造の解析とまとめ
第9回:ブナ林の群落構造の調査方法(植生調査票の記入法,胸高直径と樹高,林冠投影図及び植生断面図)
第10回:ブナ林の群落構造の調査と分析(植生調査と植生調査票の作成)
第11回:ブナ林の群落構造の調査と分析(胸高直径と樹高)
第12回:ブナ林の群落構造の調査と分析(林冠投影図の作成)
第13回:ブナ林の群落構造の調査と分析(植生断面図の作成)
第14回:ブナ林の群落構造の解析とまとめ
第15回:実習中に観察した植物を対象に植物目録(植物分類表)の作成

【学習の方法】
・受講のあり方
担当教員が話す内容や提示された資料をもとにして実習の具体的な作業を行なうので、特に担当教員の説明等は100%理解できるように集中して聞くこと。また,「ブナ林の群落構造調査」の部分はグループで作業するので、チームワークをよくすること。
・授業時間外学習へのアドバイス
できれば、下記の参考書のいくつかに事前に目を通しておいてほしい。
提出するレポートを作成する際には、実習時のグループごとに集合して、協同作業でデータの解析等をする。

【成績の評価】
・基準
・課題を把握し論理的に考察している。
・植物目録は,正確に作成されている。
・意欲的,探究的に実習に取り組んでいる。
・方法
期日までに、引率した教員にレポートを提出する。レポートの内容及び実習時の学習態度を、総合して評価する。
○レポート…100点満点,学習態度に問題があった場合は減点する。

【テキスト・参考書】
[参考書]
○『群落の分布と環境 植物生態学講座1』石塚和雄 編、朝倉書店、1977年
○『群落の遷移とその機構 植物生態学講座4』沼田真 編、朝倉書店、1977年

【その他】
・学生へのメッセージ
この講義を受講した学生は、必ず期日以内にレポートを提出すること。受講だけして、この単位を取ることをあきらめ、レポートを未提出にすることは認められない。質問は小田まで。

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