【授業の目的】
群の基本的な概念を学び,既習の代数的な対象の群構造をとらえるとともに,具体的な計算について学ぶ.
【授業の到達目標】
・群や生成という概念を理解する.・具体例について群であるかどうかの判断や,ある元が生成する部分群を捉えることができる.また,位数なども計算できる.・置換の巡回置換や互換への分解ができ,符号を求めることができる.・同型の概念を理解し,具体例について写像が同型であるかどうかの判断ができる.
【授業概要(キーワード)】
群,巡回群,置換群,部分群
【科目の位置付け】
代数学Ⅰ・代数学Ⅱにおいて,領域横断的な問題を解析する手法の基礎を学んだ.この授業は,それを領域横断的な諸問題へいかに応用するか,群を題材に学び実践力を養う.更には教員の資質を養うものである.(地域教育文化学部のカリキュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシー).
【授業計画】
・授業の方法
概念の説明,計算方法の説明,計算練習,総合的な演習を含めて次の内容について講義する. ・群の概念と具体例.・部分群と生成.・群の位数と巡回群.・置換群.・同型写像.
・日程
授業計画 第1回:群の概念に関わる回転や対称性の具体例 第2回:群の定義と簡単な例:数,ベクトル 第3回:群の例:行列群,変換群 第4回:群の例:整数の剰余群 第5回:部分群の定義と生成について 第6回:群の位数と元の位数 第7回:2面体群 第8回:巡回群 第9回:対称群の定義 第10回:置換の巡回置換や互換への分解 第11回:偶置換と奇置換,交代群 第12回:置換群と様々な生成系 第13回:準同型写像と同型写像 第14回:同型写像の例 第15回:試験とその解説
【学習の方法】
・受講のあり方
考え方や概念の理解に努めること.疑問があれば質問してほしい.
・授業時間外学習へのアドバイス
予習は,教科書を手にとって,概要をつかむ程度でよい.復習は,内容が完全に理解できるまでよく考える.証明などを自分の言葉で書き直すのもよい.粘り強く考えることが大切.必要があれば代数学Ⅰ,Ⅱの内容や高校の内容の復習も厭わないこと.
【成績の評価】
・基準
以下の観点で,演習や課題を取り入れつつ主に試験の結果によって総合的に判断する. ・数,行列,巡回群,置換群に関する具体例について基本的な計算ができる. ・群,生成,同型などの基本的な概念を理解している.
・方法
試験70点,演習と課題30点.
【テキスト・参考書】
テキスト:津村博文(著)「代数学」(数学書房) 参考書: ○中島匠一(著)「代数と数論の基礎」(共立出版) ○加藤明史(著)「親切な代数学演習」(現代数学社) ○金子晃(著)「応用代数講義」(サイエンス社) ○桂利行(著)「代数学Ⅰ 群と環」(東京大学出版会)
【その他】
・学生へのメッセージ
やや抽象的な概念を学びます.はじめは理解が困難な対象も,よく考えていると徐々に見えるようになってきます.(数学教員になる人は,そのような経験を多くしたほうがよいと思います.)積極的に学んでください.
・オフィス・アワー
講義で連絡します.
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