日本言語文化論(日本学入門)
 Introduction to Japanese Studies: Language and Literature
 担当教員:森岡 卓司(MORIOKA Takashi),許 時嘉(HSU Shih-chia),宮腰 直人(MIYAKOSHI Naoto)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
〈日本語リテラシの文化史〉
 高度な日本語リテラシの養成は、本学のみならず多くの高等教育機関が掲げる目標である。しかし、それは一体、どのようなもので、何のために用いられるのだろうか。前近代、近代の日本、そして海外との関わりにおける日本語リテラシの動態を、文化史的な広がりの中で考えること、そして、受講生各自が、以降の社会生活のために人文学を学ぶことの意義を見出すことを目的にする。

【授業の到達目標】
学術的な観点から日本言語文化史の概略を具体的に記述することができる。
文化史的な現象への理解が社会生活に及ぼす影響について、考察と展望とを述べることができる。

【授業概要(キーワード)】
日本語 リテラシ

【科目の位置付け】
カリキュラムポリシーとの関連については、「カリキュラムマップ」を参照し、よく理解した上で受講してください。

【授業計画】
・授業の方法
プリント資料とコンピュータスライドを使用する。リアクションペーパー等を用いて受講者の理解度を確認し、質問を受け付ける(提出したコメントは匿名で引用し講義資料として配布することがある)。また、学生に指名して発言を求める授業回がある。
・日程
ガイダンス(全担当教員)
第1部 近世の書物文化と学びの風景(担当:宮腰)
1,幕末の外国人が見た日本人と言語―「日本語」は難しい!?
2,近世日本の学びの風景―「勉強」は楽しい?手習いと往来物
3,近世日本の書物文化と読者―江戸の「小説」は面白い!声と挿絵と貸本屋
4,幕末の努力家たち―なぜそんなに「本」が好きだったの?読書の効用
第2部 近代日本の「作文」観(担当:森岡)
1.大正期「赤い鳥」における自由詩と「綴り方」
2.昭和初期の生活記録運動と東北
3.戦後日本における多様な「作文」
4.「よい文章」を巡る論争
第3部 外地の日本語(担当:許)
1.文体と国体の狭間で―明治期漢詩文の動向を中心に
2.和臭の思考―漢詩文と植民地統治の連動と背反
3.たった一つの私のものではない言葉―植民地台湾の日本語文学を考える
4.「日本文学」を問い直す―戦後の日本語文学の諸相
第4部 まとめ
試験 総括

【学習の方法】
・受講のあり方
提示された資料を利用して、自分のノートを作成する。
リアクションペーパーには出来るだけ質問を記入し、積極的に発言する。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]テキストの読了、資料の調査など、指示された課題を確実にこなす。
[復習のあり方]ノートを整理し、学期末の試験に備える。

【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理性、表現力)に関して、授業内提出物と授業内試験によって評価する。
・方法
授業内提出物10点、授業内試験90点

【テキスト・参考書】
授業内指示

【その他】
・オフィス・アワー
宮腰:火曜日12:30~13:30
森岡:水曜日12:30〜14:00
許:火曜14:40〜17:00、または在室中は随時。

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