経済思想
 Economic Thought
 担当教員:下平 裕之(SHIMODAIRA Hiroyuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
経済思想とは、経済理論や経済政策の基礎にあって、その基礎概念や体系構成を方向づけている考え方のことであり、経済学の最も基本となる概念であると言えます。この講義では、貧困や福祉に関する様々な経済学者の議論を通じて,主要な経済思想に関する基本的な知識を習得してもらうことを目的としています。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
(1)主要な経済思想に関する基本的な知識を習得することができる【知識・理解】
(2)これから経済学を学ぶ人もそうでない人も知っておく必要がある、経済学の基礎にある見方・考え方を自ら理解し表現することができる【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
経済思想 福祉 貧困

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
受講者は事前にテキストの指定された章を読んでおいて下さい。授業ではテキストの理解を深めるために、必要な歴史的背景,用語や概念の説明、さらにテキストには載っていない思想家の議論などを取り上げます。授業期間中に何回かにテキストに関する質問や疑問を書いてもらい、理解度を確認します。質問が多かった部分については次回の授業で解答します.
・日程
ユニット1 経済学の成立と貧困問題
第1回 1-0イントロダクション
第2回 1-1 経済学の誕生(テキスト第3章:スミス)
第3回 1-2 功利主義(テキスト第4章:ベンサム)
第4回 1-3 人口論(テキスト第5章:マルサス)
第5回 その他の関連する経済思想の解説
ユニット2 経済学の革命と社会改良
第6回 2-1 功利主義と経済学(テキスト第8章:ジェボンズ)
第7回 2-2 自由競争と社会主義(テキスト第10章:ワルラス)
第8回 2-3 社会改良の経済学(テキスト第6章・第11章:マーシャル)
第9回 その他の関連する経済思想の解説
ユニット3 福祉国家の誕生
第10回 3-1 ナショナル・ミニマム(テキスト第14章:ウエッブ夫妻)
第11回 3-2 福祉国家の理論と思想(テキスト第17章:ケインズとベヴァリッジ)
第12回 その他の関連する経済思想の解説
ユニット4 福祉国家の擁護と批判
第13回 4-1 福祉国家擁護(テキスト第21章:ミュルダール)
第14回 4-2 福祉国家批判(テキスト第22章・第23章:フリードマン)
第15回 4-3 福祉国家の多様性(テキスト第19章・第25章:エスピン=アンデルセン)

【学習の方法】
・受講のあり方
テキストを読んだ時に理解できなかった項目,新たに加えられた経済学者の見解などについて確認する。
・授業時間外学習へのアドバイス
(1)(予習)事前に指示されたテキストの各章を読んでおく。
(2)(復習)授業のノート、プリントを再確認し整理しておく。事前に読んだ際の疑問点が解決されたか確認する。

【成績の評価】
・基準
平常点(出席および質問カードを提出しているかどうか)および期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)のそれぞれについて判定し、その合計点を用いて評価します。質問カードによりそれまでの授業における経済思想について理解しているかを確認し、期末レポートによりそれらの知識を総合的に理解し説明できるかどうかを合格の基準とします。
・方法
平常点20点、レポート80点、計100点

【テキスト・参考書】
(テキスト)小峯敦編『福祉の経済思想家たち』ナカニシヤ出版(2007)
(参考書) 八木紀一郎『経済思想」日経文庫(1993)京極高宣『福祉の経済思想』ミネルヴァ書房(1995)

【その他】
・学生へのメッセージ
歴史や経済学についての事前の知識は特に必要ありません。こんな時に経済学(者)はどんなふうに考えるのかな、という好奇心があればいいでしょう。
・オフィス・アワー
毎週月曜日 9:30~11:30 下平研究室
これ以外の時間についても、事前に連絡をいただければ対応します。

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