宗教史入門(文化論)
 Introduction to Religious History (Culture)
 担当教員:松尾 剛次(MATUO Kenji)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「ちくしょう」「ありがたい」「現在」「過去」「未来」など、諸君が普段なにげなく使っている言葉には、仏教に由来する言葉が多い。いわば、仏教は日本文化、日本人の思考の基層を形成していると言ってよい。本講義では、「仏教思想」「仏教の歴史」「仏教文化」を紹介しながら日本人の教養としての仏教理解を深め宗教とはなにかを明らかにする。
B「宗教史入門」というと、ある宗教教団へ入信を勧めるつもりかね。
Aもちろんノーだよ。宗教の一つである仏教について話をし、宗教について考えてもらうつもりだよ。
Bなぜ仏教を対象とするのかね。
Aそれが日本において(現在も)最も大きな影響を与え、日本文化の基層ともいえるからだよ。たとえば、普段、何気なく使っている「有り難い」「がきだ」「ちくしょう」といった言葉など、仏教に由来する語が多いんだよ。
Bでも、なんとなく敬遠したいな。
A最近、宗教を利用した詐欺集団が横行し、それに引っ掛かる学生が多いだろう。それは、学生たちが、今まで宗教について免疫がないからだよ。だから、そう言わずに仏教とくに日本仏教をサンプルとして宗教について考えてみたら。

【授業の到達目標】
仏教を通じて「宗教とは何か」を理解するのみならず、「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」などアニメ作品の背後にある神話的思考(宗教的な思考)の意味を理解する。

【授業概要(キーワード)】
宗教・アニメ・神話・釈迦・仏教・戒律・僧侶

【科目の位置付け】
教養科目 文化と社会領域 文化論

【授業計画】
・授業の方法
講義形式(教科書に沿いながら、適宜補足しつつ講義を行う。)
・日程
1オリエンテーション 2ジブリ作品と宗教学(1)(トトロ)3ジブリ作品と宗教学(2)(トトロ2)4ジブリ作品と宗教学(3)(千)5ジブリ作品と宗教学(4)(千)6仏教とは 7仏陀誕生 8上座部仏教 9中国仏教(1)10中国仏教(2) 11日本古代仏教 12~13日本中世仏教(1)~(2)14日本近世仏教15まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義であるが、積極的に質問してほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書・参考書をあらかじめ読んで来てほしい。講義ノートを学生間で確認し、講義内容を確認しよう。講義の2~5回目の「ジブリ作品と宗教学」では、資料を配付します。それを予習し、復習してください。

【成績の評価】
・基準
1度のレポート(興味をもった語句の意味調べ)では、辞書のひき方・レポートの書き方を体験させることなどに主眼があります。期末テストでは、授業内容の理解の程度を見ますが、とりわけ神話的思考(宗教的な思考)についての理解がすすんだかを評価します。
・方法
1度のレポート(50点満点)と期末テスト(50点満点)で評価します。ただし、レポートを出さなければ、期末テストの受験資格はありません。神話的思考(宗教的な思考)などについての理解がすすんだかを評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト松尾剛次著『仏教入門』岩波ジュニア新書   参考書松尾著『葬式仏教の誕生』平凡社新書 2011

【その他】
・学生へのメッセージ
欧米の文化を理解するためにはキリスト教理解が不可欠なように、日本を含めてアジア文化理解に不可欠の仏教について学んでみませんか。初回のオリエンテーションに必ず参加すること。参加しない場合は、履修を認めません。
・オフィス・アワー
火曜日 11:30〜12:30 松尾研究室

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