人体の仕組みと病気(健康・スポーツ科学)
 Structure and disease of the human body (Health and Sports Sciences)
 担当教員:浅尾 裕信(ASAO Hironobu)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人の身体の仕組みや働きと、それらに関連した様々な病気について最新の知見を学びます。

【授業の到達目標】
 生命科学の研究は近年著しいスピードで進展し、私達の身体の仕組みと病気についても新たな知見が次々に生まれています。本講義では、本学医学部医学科の基礎研究部門で実際の研究に携わっている教員が、各々の専門分野の基本的事項と最近の話題をわかりやすく概説します。身体の仕組みと病気について学び、健康について考える習慣をつけて貰うことを目標とします。

【授業概要(キーワード)】
免疫系、感染症、循環器系、止血機構、傷害

【科目の位置付け】
共通科目 健康・スポーツ領域 健康・スポーツ科学

【授業計画】
・授業の方法
本年度は、感染症と生体防御機能、出血・止血の仕組み、心臓の機能と循環器疾患、さらに外因が生体に及ぼす影響、という私達にとって最も身近なテーマを取り上げ、1つのテーマを3回にわけて講義します。講義はパワーポイントなどを用いた電子プレゼンテーションを基本とします。
・日程
平成29年4月10日〜平成29年7月24日まで,毎週月曜日5・6校時に開講

「免疫の仕組みと病気」(担当:浅尾裕信)平成29年4月10日・4月17日・4月24日
人の身体には外敵が常に侵入して来ます。また身体の中では将来がんになるような異常な細胞も発生しています。でも私達には免疫系と呼ばれる生体防御機構があり、簡単に病気にはなりません。免疫系の細胞はどのようにして私達を守っているのか、そして免疫系が正しく働かないと、どのような病気が起こってくるのかを易しく解説します。

「けが,出血と斗う」(担当:惣宇利正善)平成29年5月1日・5月8日・5月15日
けがに伴い出血してから、血液が自ずと固まり(凝固)、出血が止まって(止血)、傷口が治る(創傷治癒)までには、血液と血管が持つ巧妙な仕組みが働いている。人体が持つ止血のメカニズムを理解し、その破綻によって引き起こる様々な疾患から、止血機構の重要性を学ぶ。

「心臓の働きとその異常」(担当:石井邦明)平成29年5月22日・5月29日・6月5日
人が生きて行く以上、心臓は絶え間なく全身に血液を送り続ける必要がある。心臓の拍動は規則正しく、その回数は1日10万回以上にも及ぶ。本講義では、心臓のしくみと働きについての基本的なことを解説する。また日本人の死因の第一位である循環器疾患(脳血管疾患も含む)について紹介する。

「中毒と病気」(担当:水野 大)平成29年6月12日・6月19日・6月26日
中毒とは「毒にあた(中)る」という言葉で、毒物により引き起こされる生体の機能障害のことをいう。例えば食塩は生命活動に必要な物質であるが、過剰に摂取することで高血圧などの障害が出現するというように、どのような化学物質であっても中毒を引き起こす可能性がある。ここでは、私たちの周りに存在する様々な化学物質中毒の仕組みと、それによって引き起こされる病気について述べていきたい。

「微生物と感染症」(担当:本郷誠治)平成29年7月3日・7月10日・7月24日
様々な微生物が人に感染して病気(感染症)を引き起こす。では感染症の原因となる微生物にはどのような種類のものがあって、どのような特徴があるのか。どのような感染のメカニズムがあるのか。動物からヒトに伝播する微生物やヒト-ヒト間で伝播する微生物がある。これらのウイルスや細菌を皆とともに勉強しよう。

【学習の方法】
・受講のあり方
受講者は講義を聴講し、不明な点があれば遠慮しないで積極的に質問をして理解を深めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習のあり方
生命科学についての一般的な事柄、あるいは高等学校で学習した内容について、あらためて整理しておくことが望まれます。
・復習のあり方
講義のノートや配付資料等を整理し、復習に努めてください。興味のある問題については、一般教養書や専門書等を参照し理解を深めてください。

【成績の評価】
・基準
講義内の小テスト、小論文、筆記試験、レポート提出などにより評価します。
・方法
各講師20点満点で試験を行い、合計100点満点で60点以上を合格とします。

【テキスト・参考書】
【テキスト】
とくに特定の教科書は指定していません。
【参考書】
本郷誠治:ブラック微生物学(丸善)林英生、岩本愛吉 ほか監訳
惣宇利正善:「図説 血栓・止血・血管学~血栓症制圧のために」(中外医学社) 一瀬白帝 編著
浅尾裕信:好きになる免疫学(講談社サイエンティフィック)、休み時間の免疫学(講談社サイエンティフィック)

【その他】
・学生へのメッセージ
将来の進路や職業に関わらず、現代を生きる者として私達の身体の仕組みと病気を理解することは大切な教養の1つです。これらを理解することにより、人が健康に暮らすためにはどうすればよいのかを皆さんで考えてください。

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