【授業の目的】
農業を支える農業用水(水)と農地(土)、そして農村(里)を通して、地域の生活に密着した環境と社会基盤について考える。
【授業の到達目標】
1)山形県の農業を支える農地,用水の役割と歴史,農村の姿,地域の生活に密着した環境と資源の現状について理解が深まる。 2)山形市周辺の農地を潤してきた長い歴史を有し,都市部で市民にやすらぎをもたらしている「山形五堰」の現地調査を通して,その環境要素を理解できる。 3)農業用水路などの観察や水質などの簡易な計測ができるようになる。
【授業概要(キーワード)】
農業用水,農地,農村,自然エネルギー,山形五堰
【科目の位置付け】
農業農村を支える資源についての学習と,山形五堰を事例とした地域環境の理解を通して,自然との共生,社会基盤の創出について考察するものである。
【授業計画】
・授業の方法
農学部の5名の教員によるオムニバス方式の講義。後半では小白川周辺の「山形五堰」の実地調査を行う。
・日程
主要なテーマは次の通り。具体的な講義順は第1回目に説明する。第11~13回の現地調査(7月5日予定)は14:40~18:00まで行うため、その時間が他の授業と重なる人は受講しないこと。 第1回 講義の進め方とガイダンス 第2回 映像で見る様々な水田 第3回 水質問題と食料 第4回 時代の証人・古い地図や空中写真を読む 第5回 農村問題と地域づくり 第6回 大地の恵み・地下水資源 第7回 自然エネルギーと小水力発電 第8回 山形の水の生業1 第9回 山形の水の生業2 第10回 山形五堰巡検のための基礎知識 第11-13回 7/05(14:40~18:00)山形五堰(笹堰)ウォッチングツアー 第14回 ウォッチングツアーレポート提出,農業土木遺産と伝統技術 第15回 まとめ・レポート返却
【学習の方法】
・受講のあり方
理系・文系にこだわらず,身近な地域資源の姿を再発見するつもりで受講し、講義で学んだことは現地調査で確認して理解を深めることに努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
山形市や自分の出身地の農村や都市の姿と環境,日々の生活を支えている水資源や食料,エネルギーの問題などを振り返って復習すること。
【成績の評価】
・基準
1)各回の講義で積極的に学習をすすめ,わからなかった点は質問などで解決に努めたか。 2)教室での講義を活かし,現地調査で積極的に活動したか。
・方法
12回の講義の出席および講義後に提出する出席カードに記載した内容(5x12点)、山形五堰ウォッチングツアーレポート(40点)。
【テキスト・参考書】
・水土を拓く 「水土を拓く」編集委員会・農業農村工学会編,農文教発行 ・東北 地図で読む百年 平岡昭利編,古今書院 ・水の日本地図 水が映す人と自然 沖 大幹ほか,朝日新聞出版 ・世界の水田 日本の水田 Paddy Field in the World ・日本の近代土木遺産[改訂版]-現存する重要な土木構造物2800選-
【その他】
・学生へのメッセージ
私たちの暮らしを支える社会や資源,潤いをもたらす身の回りの環境に目を向け,これからの勉学の方向を考えよう。
・オフィス・アワー
疑問点や興味をもった事など,各回の担当教員に積極的にコンタクトすること。
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