社会政策論入門(経済学)
 Introduction to Social Policy (Economics)
 担当教員:戸室 健作(TOMURO Kensaku)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
市場経済の拡大は、必ずしも人々に幸福をもたらすとは限らない。むしろ自由放任の市場経済が人々の社会生活に多大な損害をもたらすということは、産業革命によって生じた労働者の過酷な実態を見れば明らかである。そのため各国では、市場経済に政府が介入することを通して人々の生活上のリスクを社会的に軽減・防止するための政策―社会政策を発展させてきた。本講義ではその社会政策の歴史について概観したい。

【授業の到達目標】
社会政策の歴史をイギリスと日本で比較できるようになる。いち早く資本主義経済を実現させたイギリスで形成された社会政策の歴史をまず理解する。次に日本の社会政策の歴史を把握する。その際、日本の社会政策がイギリスと比べて異なる特徴を持つにいたった点について理解できるようになる。

【授業計画】
・授業の方法
教科書・レジュメ・板書による講義形式で行う。講義の内容に関係したビデオ・DVDを見たり、新聞・雑誌・データなどをプリントにして配布するなど講義の理解に資するよう工夫を行うつもりである。
・日程
1 社会政策とは何か
2 労働者の誕生
3 市場の限界と社会政策
4 救貧法と「福祉のパラドクス」
5 ブースの貧困調査
6 労働組合の機能
7 科学的管理法
8 フォーディズムと「モダンタイムス」
9 リベラルリフォームと国民健康法
10 『ベヴァリッジ報告』
11 戦後福祉国家の展開
12 石油危機と新自由主義
13 戦前日本における社会政策の展開
14 戦後日本における社会政策の展開
15 社会政策の展望

【学習の方法】
・受講のあり方
講述内容や板書をノートにきちんと筆記する。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習のあり方
 参考文献を読む。
・復習のあり方
 レジュメ・配布資料・ノートなどを見直す。

【成績の評価】
・基準
期末試験、小レポート、課題レポート。
・方法
期末試験80点、小レポート20点。課題レポート(読書感想文)を提出しなければ、20点の減点。
期末試験は持込不可。

【テキスト・参考書】
〈参考書〉
戸室健作『ドキュメント請負労働180日』岩波書店、2011年
西村豁通・荒又重雄編『新社会政策を学ぶ[第2版]』有斐閣、1999年

【その他】
・学生へのメッセージ
「社会政策論入門」の受講を考えている学生は、第1回の講義に参加して下さい。その時に、詳しい講義の評価方法などについて説明します。
・オフィス・アワー
水曜日 10:30~12:00 戸室研究室

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