日本人と『世間』-東北からの眼差し-(人間を考える)
 Japanese and Seken, a Study from Tohoku Region (Humankind)
 担当教員:山本 陽史(YAMAMOTO Harufumi)
 担当教員の所属:エンロールメント・マネジメント部
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「世間知らず」「世間は狭い」とか「世間体が悪い」というように、日本人は世間という言葉をよく使います。では世間は「社会」とはどう違うのでしょうか? このことを考えることが「日本とは何か」を考えるための大きなヒントになります。地域、血縁、学校での先輩後輩など、日本人は大小さまざまの世間に属し、世間からはみ出さないように生きて来たのです。世間からはみ出すと「村八分」や「いじめ」にあってしまうのです。現在でもインターネット上のバーチャルな空間にも世間が形を変えて生きています。この授業では世間について考察するとともに、東日本大震災後の東北における世間の現況を知り、さらに今後国際化の進展した世界で活躍する皆さんの生きる指針を得ることを目的とします。あわせて皆さんのレポート作成能力やプレゼンテーション技術の向上も目指していきます。

【授業の到達目標】
・世間と社会の違いについて知り、日本人の生き方の歴史についての知識を持ち、国際人としての行動の指針を得る。
・東日本大震災以降の東北の位置づけについて把握できる。
・グループワークで適切な話し合いを行えるようになる。
・レポート作成の過程で的確な情報収集と分析方法を身につける。
・レポート・発表で自分の考えを伝えることができる。

【授業概要(キーワード)】
世間、社会,個人、集団、東日本大震災

【科目の位置付け】
基幹科目「人間を考える」として、日本および世界の中で人間がいかなる行動原理で生きて来たのか、そして将来はどうなっていくのかを考察する授業です。

【授業計画】
・授業の方法
教員による講義とともに、世間について調べグループワークでプレゼンテーションをを行ったり、個人としての作業でレポート作成してもらいます。
・日程
1 世間って何だろう? 2 「世間」と「社会」はどう違うの? 3~8 文学や映像に見る世間の例 9~10 東日本大震災と世間 11~13 世間についての学生のプレゼンテーション  14 インターネットと世間 15 国際化の中での日本人の生き方を問う

【学習の方法】
・受講のあり方
この授業はグループワーク・プレゼンテーションなど学生が主体的に参加する学習活動を含みます。活動内容は授業により異なります。
みなさん自身が社会で必要な基盤的能力、とくにコミュニケーション能力をみがくのが最大の目的です。積極的にグループ活動を行いましょう。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習 身近なところに世間は存在しています。どんな振る舞いが世間に影響されているのか考える習慣を身につけましょう。
・復習 グループで話し合ったことをまとめましょう。

【成績の評価】
・基準
1)世間と社会についての的確な知識が持てたか。
2)情報収集・分析能力が向上したか。
3)プレゼンテーションを通してグループワークが適切に行えるようになったか。
4)説得力があり、わかりやすいレポートが作成できたか。
・方法
1)中間レポ-ト 20%×2回
2)グループによるプレゼンテーション 20%
3)最終レポート 40%

【テキスト・参考書】
テキスト:特にありません。
参考書:阿部謹也『「世間」とは何か』1995講談社現代新書 ISBN:978-4061492622 税込864円・鴻上尚史『「空気」と「世間」』2009 講談社現代新書 ISBN:978-4062880060 税込864円

【その他】
・学生へのメッセージ
皆さんはグローバル化が進んだ世界で生きていくことになります。世間というローカルな基準で生きることとの折り合いをどう付けていくかがこれからさらに問われることになるでしょう。この授業でそれを考えてみませんか?
・オフィス・アワー
水曜日9・10校時 e-mail:yamaharu@yz.yamagata-u.ac.jp

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