【授業の目的】
現代の多様な憲法問題を検討することを通して、民主社会に生きる市民の自由と責任について考えます。講義の中で扱う人権問題や民主的統治システムに関する問題はその多くが「難問」であり、往々にして意見が分かれます。日本国憲法についての基礎的知識を踏まえた上で、具体的問題についてどのような解決策があり、どれを選択すべきなのか、受講者と一緒に考えて行きます。
【授業の到達目標】
①日本社会に共に生きる市民の教養として、日本国憲法に関する基礎的知識を得ることができる。 ②憲法問題に関する論点や様々な見解を理解することで、自分とは異なる考え方を柔軟に取り入れる力を養うことができる。 ③現代の社会問題・政治問題に対する初歩的な法的視点を習得することができる。
【授業概要(キーワード)】
憲法学、人権論、統治組織論
【科目の位置付け】
この授業は、日本国憲法について多様な視点から理論的に考察することで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
レジュメによる講義形式だが、可能な限り対話形式も取り入れる。
・日程
1.イントロダクション 2.憲法とは何か・立憲主義とは何か 3.人権の歴史・私人間効力問題 4.プライバシー権・輸血拒否事件 5.自由と尊厳 6.尊属殺重罰規定違憲判決・男の顔と女の顔 7.非嫡出子相続分差別・夫婦別氏制 8.学問の自由・大学の自治 9.法律婚・事実婚・パートナーシップ保護制度 10.表現の自由とヘイトスピーチ規制 11.わいせつ表現規制・知る権利 12.象徴天皇制・国民主権 13.衆議院の解散・二院制・首相公選制 14.平和主義 15.試験とまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
1)レジュメを参考にしながら、授業内容を適切に把握すること。 2)ただ聴くだけではなく、ポイントを的確にメモすること。 3)多様な意見を柔軟に取り入れつつ、自分の考えをまとめること。
・授業時間外学習へのアドバイス
毎回検討する具体的事例についてポイントを再確認し、自分の見解をまとめておくこと。配布する記事資料を読んでおくこと。日頃から新聞やニュースに目を通しておくこと。疑問点をインターネット等を利用して自発的に調べること。
【成績の評価】
・基準
①憲法に関する基礎的用語・概念や基本的問題を正確に理解していること、②具体的問題に関する多様な見解を踏まえて、自分の考えを説得的に論述できることが合格の基準です。
・方法
中間試験(50点)および期末試験(50点)。
【テキスト・参考書】
特に指定しない。
【その他】
・学生へのメッセージ
①講義中は最低限のマナーを守ること。 ②自分が「正しい」と思っていることが、本当に「正しい」といえるのか、一度疑う勇気をもって欲しい。 ③教室の収容人数によって人数調整をすることもあり得る。
・オフィス・アワー
木曜日15時~17時
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