【授業の目的】
東北は歴史的に「5戦5敗」した地域といわれる。しかし、そこから見えてくるかつての東北の人びとの様子は、力強くそこから立ちあがってきたというメッセージを秘めている。東日本大震災クラスの災害や、たび重なる戦乱の中で、東北人がどう生きてきたのか。新しい歴史の研究成果をもとに考える。
【授業の到達目標】
そこから東北出身者はもちろん、東北で学ぶものとして、地域の力を歴史的に学び、堂々と語ることのできる力を身につける。 歴史の真実を探ると、東北は本当は「負けた」のではないこと、実は非常に豊かな地域であり、それゆえに他の地域から攻められる機会につながったことなどがみえてくる。授業を通じて、そうした東北に住むことの誇りが自然と身につき、誰かに語りたい、という意識に変化する。
【授業概要(キーワード)】
東北 歴史 考古学 武士 環境 災害
【科目の位置付け】
教養科目 文化と社会 歴史学
【授業計画】
・授業の方法
講義形式で進める。授業では、多くの映像資料などをパワーポイントと使用しながらわかりやすく解説する。また、講義終了後、必ず出席カードの裏面に質問・感想を記入して提出すること。質問には、次の回までに全て回答すると共に、感想等について紹介する時間を設定することで、教員からの一方通行ではない講義形式としたい。 なお、授業中は私語厳禁とする(注意しても止めない場合、教室から退出を求める場合がある)。
・日程
1 ガイダンス 2 5戦5敗の歴史とは 3 東北の縄文人と農耕 4 蝦夷は「異民族」か 5 城柵の設置と戦乱 6 東北は平安貴族のあこがれ 7 平安時代における地震と火山噴火 8 中世転換へのきっかけとしての東北 9 平泉の黄金文化 10 武士の新天地 11 独眼竜政宗とその時代 12 戊辰戦争と東北 13 戦時下の東北 14 日本のなかにおける東北とは 15 試験とまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
講義形式で進める。
・授業時間外学習へのアドバイス
遅刻は厳禁とし、単位取得には3分の2以上(10回以上)の出席が必要となる。 理系・文系は問わないが、歴史に興味関心を持って授業に臨むこと。
【成績の評価】
・基準
歴史用語などの暗記などは要求しない。細かい知識よりも、考古学や歴史学等の方法とその思考過程をきちんと理解することを目指す。また、明らかになった歴史の意義について、自らの言葉で表現することができるかを評価基準とする。
・方法
講義内の中間試験(30点)論述式の最終試験(70点) 遅刻は厳禁とし、単位取得には3分の2以上(10回以上)の出席が必要となる。
【テキスト・参考書】
【参考書】 ・岡本公樹『東北不屈の歴史をひもとく』講談社、2012 ・岩本由輝ほか『歴史としての東日本大震災: 口碑伝承をおろそかにするなかれ』2012 ・保立道久・成田龍一『日本列島地震の2000年史』2013
【その他】
・学生へのメッセージ
授業内では映像資料などを多く使い、わかりやすい説明を心がけていきたい。東北出身者として、あるいはこれから東北に生きていく上で、歴史的側面から勇気がでるような授業としたい。
・オフィス・アワー
在室時には何時でも対応します。事前にメール等でアポイントをとるなどして、何時でも研究室においでください。
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