この講義では、植物をとりまくさまざまな生物とのつながりに注目して、それらがどのような進化したのかについて考える。さらに植物を中心とする生物間のつながりを通して、遺伝子の機能、個体群の動き、生物と環境とのかかわりなどに関する基礎的な知見を基に主体的に学ぶ。
環境問題について考える際、生物間の関係の重要性はとても大きい。移動能力に乏しい植物は、他の生物に依存している部分が多い。この講義では、さまざまな事例を通して、生物間の関連を考えながら自然を観察する目を培うことを目的とする。

植物を中心とした生物間のつながりを通して、ひとつの生物が生きる背景には数多くの生物との共生があることが理解できるようになる。

陸上植物、昆虫、真菌、細菌、寄生、共生、進化

基幹科目

パワーポイントを利用して講義を行う。講義に使用するプレゼンテーション資料を印刷したものを配布する。各テーマについて、自主的に学習した内容をプレゼンテーションしてもらう（受講者数に応じて個人、またはグループで実施）。

第1回：ガイダンス
第2回：植物とはどのような生物か？　　　　　　　　
第3,4回：陸上植物の起源と進化（プレゼンテーション含む）　　　　　　　　
第5,6回：植物をとりまく生物（プレゼンテーション含む）　　　　　　　　　　　
第7,8回：植物と植食性昆虫との関係（プレゼンテーション含む）　　　　　　　
第9,10回：植物と送粉昆虫との関係（プレゼンテーション含む）
第11,12回：植物と病原菌との関係（プレゼンテーション含む）
第13,14回：植物と共生菌との関係（プレゼンテーション含む）
第15回：まとめと試験

この授業はグループワーク・プレゼンテーションなど学生が主体的に参加する学習活動を含みます。活動内容は授業により異なります。休まずに受講し、わからないことは積極的に質問して下さい。講義中に説明する内容の中で重要な点は、必ずメモをとること。

下記の参考書などを読んで予習しておくと、理解が深まります。理解できなかった点については、できるだけ早く質問して解消すること。さらに配布資料、参考書などを読んで自主的に学習すると、より理解が深まります。

講義で紹介した主な生物間のつながりについて理解できているかを、プレゼンテーションおよび学期末の論述試験により評価する。

各テーマのプレゼンテーションの内容（60%）、および学期末に実施する授業内容に基づいた論述試験（60%）を合わせて評価する。

特に指定しない。資料は講義時に配布します。
1）「日本の森林／多様性の生物学シリーズ」1-5　東海大学出版会　2004-5
2）種生物学会（編）「共進化の生態学ー生物間相互作用が織りなす多様性ー」文一総合出版　2008
3）種生物学会（編）「種間関係の生物学—共生・寄生・捕食の新しい姿ー」文一総合出版　2012

毎回出席し、質問など自分で学ぶ姿勢を積極的に示してください。理解できなかったことの質問は随時受け付けます。講義で学んだことについて、どの点に興味をもったか、その点についてどう考えたかなど、問題意識を持って講義に臨んで下さい。

研究室（理学部2号館414室）に在室している時間は随時。