ヒマラヤ地域の自然と社会(地理学)●
 Regional study on the Himalayas (Geography)
 担当教員:八木 浩司(YAGI Hiroshi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 ネパール・ヒマラヤ、ブータン・ヒマラヤ,パキスタン・ヒマラヤそして中国・雲南省などの山岳地域の自然や人々の暮らしを主に画像資料で紹介しながら、それらの人文・自然景観の形成背景・要因を読み取りそこからヒマラヤ地域の地域性に迫る.そしてアジアの山岳地域の抱える問題や地域性を捉えていく。

【授業の到達目標】
・地域を捉える切り口を学ぶ.
・カオスとしての地域からその特色を読み取る力を会得する.
 日本とは大きく異なる海外の自然・社会環境のもとで人々がいかにそれらに柔軟に対応して暮らしているかを学習する.我々の日常的な生活慣習とは大きく異なるものを目にした際に,それらが異様なものではなく,当該地域における自然環境や歴史・社会環境の元で合理的に醸成されてきたものであることを理解する能力を付与する.

【授業概要(キーワード)】
ヒマラヤ,地形,地質,気候,植生,民族,歴史,文化

【科目の位置付け】
 この科目ではアジアの諸地域のうち地誌学の対象としてはマイナーなヒマラヤ地域をとりあげるが,自己の日常生活からかけ離れた地域であろうと,偏見や優越感をもつことなく,そこの自然環境やそこで行われている生活の特性を理解できる力を得るための科目として位置づけられる.さらにそこから我々が実際に暮らしている社会のもつ危うさや脆弱性について科学的な批判力でもって理解する態度を形成する.

【授業計画】
・授業の方法
ヒマラヤ地域の自然・民族・文化に関する配付資料と画像資料から,その地域性を明らかにしていく.
・日程
第1回 地域性とは何か
第2回 ヒマラヤ地域の地理的定義と他地域との比較
第3回 ヒマラヤ地域の地形帯区分
第4回 ヒマラヤ地域の地質構造の形成
第5回 ヒマラヤ地域の地質構造の形成と地形帯との対応
第6回 ヒマラヤの活断層
第7回 ヒマラヤの発達と北半球の気候形成
第8回 ヒマラヤ地域の植生と天然林産出物の利用
第9回 ヒマラヤ地域の植生と工芸作物の開発
第10回 ヒマラヤ地域の農耕と食生活
第11回 重層的社会構造を持つインド・ヒマラヤ地域 ーヒマラヤ地域の人々・民族ー
第12回 ヒマラヤ地域の歴史と人々
第13回 中世〜近世の交易都市国家としてのカトマンドゥ
第14回 ヒマラヤ地域における自然災害と国内開発 現状と課題
第15回 課題プレゼンテーション

【学習の方法】
・受講のあり方
地理的基礎知識が必要です.必ず地図帳を持参して下さい.
・授業時間外学習へのアドバイス
テレビ・新聞などで報道される南アジアーチベットー東南アジア北部に関する国際情勢に関心を持って日々暮らして下さい.

【成績の評価】
・基準
地域はカオスであり,その混沌のなかからその特性を読み取るためには,地域性を構成する要素ごとに解きほぐして,それらを切り口として地域性を探っていく技をどの程度獲得できたかをチェックします.
・方法
課題(10%)と期末試験(90%)の合計点の60%以上を合格とします.

【テキスト・参考書】
毎回資料を配付します.
地図帳を持参すること.

【その他】
・学生へのメッセージ
 日本で見慣れたものだけに接していると,他の地域で起こっている現象に興味が湧かなくなってしまいます.ヒマラヤ地域の自然景観や人々の暮らしにのぞき込むおうな視線をもって受講して下さい.
・オフィス・アワー
随時受け付け

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