地圏の暮らしを地学する(山形から考える)
 Introduction to Environmental Geosciences (Thinking Outside Yamagata)
 担当教員:丸山 俊明(MARUYAMA Toshiaki)
 担当教員の所属:理学部理学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 地球表層は岩石・水・大気そして生物によって取り囲まれており、それぞれ地圏(岩石圏)・水圏・気圏・生物圏として認識されています。私たちが生活している大地、すなわち地圏が永い変動を経て今日の姿に至ったことを解説します。

【授業の到達目標】
 この講義では、私たち日本人が地球上のどのような場所に暮らしているのかを地球環境学的に考察し、地球表層で起こったさまざまな環境変化や生物進化の歴史が地層や化石に記録されているようすを紹介します。題材としては、例えば1000万年前に山形盆地を泳いでいた海牛化石などを取りあげて身近な郷土の過去の姿を探ったり、山形市内で実用化されている地下水を使った消雪システムなど、現実の生活に深くかかわったテーマも扱います。そして、プレートテクトニクス理論に代表される新しい地球観に立って、日常の新聞記事を読みこなせるよう基礎知識の修得を目指します。

【授業概要(キーワード)】
 地球 日本列島 大地 環境

【科目の位置付け】
 基幹科目。山形で毎日を暮らしていくみなさんにとって、地球環境学における自然史科学的な特質を踏まえつつ、日常生活に少しでも役立つよう解説します。

【授業計画】
・授業の方法
 適宜プリント資料や新聞記事を配布し、DVD教材も使用します。
・日程
  1 ガイダンス、あなたと地圏とのかかわり
  2 島弧ー海溝系としての日本列島、あなたはどこに住んでいますか
  3 火山と日本列島、火山災害から命を守る
  4 地震と日本列島、マグニチュードって何ですか
  5 火山と火成岩、あなたの家の墓石は何ですか
  6 地球の歴史と生命の進化、生きている化石
  7 地球の歴史と生命の進化、恐竜からヒトまで
  8 地質年代と系統、T・レックスとジュラシックパーク
  9 生物の名前と地層の名前、山形大海牛を知っていますか
 10 地下水と地盤沈下、山形名物の無散水消雪って何ですか
 11 新しい大地をつくる、関西新空港の秘密
 12 プレートテクトニクス、VLBIって何のこと
 13 深海調査、潜って調べて(または過去の津波に学ぶ)
 14 深海調査、進め「ちきゅう」
 15 期末考査(授業のまとめと期末試験)

【学習の方法】
・受講のあり方
 毎回、ミニッツペーパーの提出を求めます。キーワードや解答、感想、および質問などをミニッツペーパー形式で集め、学修状況の把握や理解度の評価に役立てます。プリントの配布やミニッツペーパーの回収はその回限りとします。
・授業時間外学習へのアドバイス
 日程の進行にそって、教科書の中身をパラパラ見てきてください。プリントは捨てないで、もう一度読んでください。

【成績の評価】
・基準
 ミニッツペーパーの課題や期末試験に科学的な用語や文章を使って正しく適切に答えられることを合格の基準とします。
・方法
 期末試験の得点率が5割に達した方について、毎回のミニッツペーパーを積算した学修状況を75〜80%位、期末考査を20〜25%位の目安として総合的に判定します。期末考査はテキスト、ノート、プリントなど持ち込み可で行います。出席点という評価基準は使いませんのでご注意願います。

【テキスト・参考書】
 テキスト:浜島書店編集部 「ニューステージ 新地学図表」 浜島書店

【その他】
・学生へのメッセージ
 教室の規模にもよりますが、教育効果の観点から受講生数を調整する場合もあります。質問については授業終了時にまずご相談ください。

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