「人・モノ・こころ」の関係を考えるデザイン入門(山形から考える)
 Introduction to "Design" from a relationship Human,Products,Mind (Thinking Outside Yamagata)
 担当教員:齋藤 学(SAITO Manabu)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代社会における「デザイン」の意味とその役割について、ものづくりの史的変遷と今日的状況(国内外/山形)を多面的に概観し、我々は何をつくってきたのか?何のためにつくるのか?次の時代に何をつくるべきか?について考えていきます。

【授業の到達目標】
ものづくりにたずさわる作家・職人の言葉(映像視聴と実地調査)や実際の製品の鑑賞(使用)を通して、「ものづくりの要件」“材・技・こころ”の関係について考察し、今日的課題の認識と解決に向けた動機付けを目指します。加えて、実際に“ものづくり”と向き合い、つくる行為そのものや、つくりだされたものの価値について客観的な分析や評価を試みます。
到達目標:①言葉としての「デザイン」について捉え直し、今日的な意味の広がりについて説明することができる。②「もの」がもつ価値とその変遷について、時代背景や地域性(山形の特長)を捉え説明することができる。 ③現在の「ものづくり」がおかれた状況を捉え、次代の在り様について持論を説明することができる。

【授業概要(キーワード)】
デザイン・意匠・企図/風土・生活・文化/材料・技・道具/工業・工芸・民芸

【科目の位置付け】
基幹科目:「山形から考える」ことを通して、地域課題への問題意識の育成や動機付けを図る。

【授業計画】
・授業の方法
講義を中心に行い、理解を助けるための演習(工作・調査・鑑賞)や議論を交えます。各回小レポートを課します。
・日程
○我々は何をつくってきたのか [1-4];“デザイン”とは何か/『2001年宇宙の旅』からデザインを考える/日本万国博覧会(1970)からデザインを考える ○「ものづくり」の史的変遷と価値の変容[5-10];材料と風土 「古代のものづくり」(*演習課題①:「切る」を科学する)/材料とフォルム「近代~現代のデザイン」(*演習課題②:「椅子」の観察から「かたち(素材+形状)」と「こころ(デザインマインド)の関係を考える) ○ものづくりの現在と未来[11-15];身近に出会うものづくりの心 /デザイン振興における世界と日本 /産業振興と文化政策 /山形のものづくりとグッドデザイン
*実施日程は後期オリエンテーションの際にお知らせします。(学外での実地調査を2回程度予定します。)

【学習の方法】
・受講のあり方
身近な“もの”に対する関心と、つくることに対する積極的な姿勢が大切です。意欲的に「みること」や「調べること」に取りくんでください。
・授業時間外学習へのアドバイス
次回の講義に即したキーワードについて予め調べてもらいます。あわせて授業時のキーワードや関心事について独自の補強を加え、各回小レポートとしてまとめてもらいます。

【成績の評価】
・基準
目標①②③の各観点について理解度や学問に対する問題意識の深まりを評価します。①は受講の前後での「デザイン」に対する認識の変化について、②は日本および山形の「デザイン」の特長について、③は今日的課題と解決に向けた「デザイン」の活用について、授業の内容をもとに文献等の参考資料を加えてレポートが作成できること。
・方法
小レポート(キーワードの確認など8回程度):40%,ものづくりの分析(制作課題・調査報告):30%,最終レポート(授業時に実施):30%

【テキスト・参考書】
テキスト:講義時に関連資料を適宜配布。
参考図書:原研哉「日本のデザイン ― 美意識がつくる未来 」岩波新書

【その他】
・学生へのメッセージ
美術の得手・不得手はまったく関係ありません。芸術の用語にとどまらない「デザイン」の社会的使命や“山形デザイン”の特長について、新たな認識をもってもらえればと思います。
・オフィス・アワー
月曜(12:00~13:00)
メールアドレス:ev058@kdw.kj.yamagata-u.ac.jp
場所:工芸アトリエ(地域教育文化学部1号館3階)

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