教材開発と児童生徒理解(特別支援教育系)
 Teaching Materials Development and Student Understanding (Special Needs Education)
 担当教員:三浦 光哉(MIURA Kouya),黒沼 久志(KURONUMA Hisashi)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義、演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 障害児の課題を改善・克服するためには、授業作りと共に教材教具の工夫や代替機能の活用が重要である。この授業では、①指導見学、②障害種別の教材教具の工夫や代替機能の理解、③事例検討と教材教具の開発の3単元から成り、障害児に教材を開発し活用できる実践力を身につけさせる。指導見学では、実際の障害児の指導場面でどのような教材教具が使われているかを学習する。障害種別の教材教具の工夫や代替機能の理解では、それぞれの障害児の特徴に応じて、教材が開発され日常で使用されていることを学習する。事例検討と教材教具の開発では、最初に教材の事例報告をし、次に、障害児応じた教材教具を構想しながら作成する。最後に、発表して更なる改善を図っていく。

【授業の到達目標】
 1.障害児の指導見学を通して、様々な教材教具が使用されていることが理解できる。
 2.各障害児の特徴を把握し、その障害に応じた教材教具が使用されていることを学習する。
 3.障害種別に応じた教材教具を作成することができる。

【授業概要(キーワード)】
 教材開発、教材教具、特別支援教育

【科目の位置付け】
 特別支援教育分野(特別支援学校専修免許状必修)

【授業計画】
・授業の方法
 授業見学、教材作成
・日程
〇発達障害児や知的障害児等の指導見学
 第1回:実際の指導場面の見学①(指導目的、指導全体計画を中心として)【三浦】
 第2回:実際の指導場面の見学②(教材教具の工夫、教材の内容を中心として)【三浦】
〇障害種別の教材教具と代替機能の理解
 第3回:視覚障害の理解と教材教具(視覚障害の特徴、教材教具の活用<点字、白杖、音声拡張器など>)【森谷】
 第4回:聴覚障害の理解と教材教具(聴覚障害の特徴、教材教具の活用<手話、シンボルマークなど>)【森谷】
 第5回:知的障害の理解と教材教具(知的障害の特徴、教材教具の活用<国語・算数教材など>)【森谷】
 第6回:肢体不自由の理解と教材教具(肢体不自由の特徴、教材教具の活用<歩行器、車椅子など>)【森谷】
 第7回:病虚弱の理解と教材教具(病弱の特徴、教材教具の活用<温度調整、空調設備、健康保持器具など>)【森谷】
 第8回:学習障害(LD)の理解と教材教具(LDの特徴、教材教具の活用<読み書き・算数、絵・写真など>)【三浦】
 第9回:注意欠陥多動性障害(ADHDの特徴、教材教具の活用<教室環境、ブロックなど>)【三浦】
 第10回:自閉症スペクトラム障害(ASDの特徴、教材教具の活用<SSTカード、ソーシャルストーリーなど>)【三浦】
〇事例報告と教材教具の作成
 第11回:事例検討会・・・・教材教具の事例報告(個人ごとに発表し討論する)【森谷】
 第12回:教材教具の作成①(教材教具を作成するために障害児の特徴と課題を整理し、構想を練る)【森谷】
 第13回:教材教具の作成②(各自で障害に応じた教材を作成する)【森谷】
 第14回:教材教具の作成③(各自で障害に応じた教材を作成し完成させる)【森谷】
〇発表とまとめ
 第15回:プレゼンテーション(障害種別の応じた教材教具の発表)【三浦・森谷】

【学習の方法】
・受講のあり方
 教材教具を作成して活用する。
・授業時間外学習へのアドバイス
 代替機能を持つ教材教具について調査してほしい。

【成績の評価】
・基準
 学部卒院生:障害に応じた教材教具を作成し、発表することができる。
 現職院生:障害児の課題分析を通して、障害の改善・克服となるような適切な教材教具を障害児に適応しながら発表する
ことができる。
・方法
 以下の観点から、授業中の発表や事例報告、教材教具の作成などを中心に総合的に評価する。
  ①障害児には、その障害種別に応じた様々な教材教具が使用されていることを理解したか。
  ②障害児を想定しながら、その障害の課題の改善・克服のための教材教具を作成し完成させることができたか。

【テキスト・参考書】
 テキスト:『知的障害・発達障害の教材・教具117』、三浦光哉編(ジアース教育新社)

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