【授業の目的】
人間関係における課題を把握し,人間関係論を理解することにより,教育現場における多様な人間関係について分析・考察できるようにする。また,理論の実践化のために,実習を通して,人間関係形成に関する能力として具体的なスキルを習得し,実践的指導力の向上を図る。
【授業の到達目標】
児童生徒の理解,人間関係の形成,多様な人々とのコミュニケーションなどの資質能力の向上を目指し,人間関係論を理解し,よりよい人間関係形成のための理論と方法・技能を習得できる。
【授業概要(キーワード)】
社会性と情動の教育,構成的グループエンカウンター,交流分析,ピア・サポート,保護者対応,クラス会議,Q-Uアンケート
【科目の位置付け】
この授業は,自己を認識し、人との出会いを通じて学び合うことによって,人間関係の課題解決をはかっていく力を身につけると共に、心の教育について専門的で実践的な能力を獲得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
講義や演習により人間関係論を学び,併せて実習をとおして人間関係形成のためのスキルを習得する。
・日程
第1回: オリエンテーションと「学級開き」体験 第2回: 「Q-Uアンケート」と「社会性と情動の教育」全体についての理解 第3回: 自他理解のための構成的グループグループエンカウンター体験・考察 第4回: 自他受容・信頼のための構成的グループエンカウンター体験・考察 第5回: 自己理解のためのエゴグラム・ロールプレイング体験・考察 第6回: 学級づくりのためのグループワークトレーニング体験・考察 1 第7回: 学級づくりのためのグループワークトレーニング体験・考察 2 第8回: 学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 1 第9回: 学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 2 第10回:学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 3 第11回: ピアサポート・プログラムと予防教育的生徒指導について分析・考察 第12回: 保護者との人間関係や教師間の同僚性についての分析・考察 1 第13回: 保護者との人間関係や教師間の同僚性についての分析・考察 2 第14回: 勇気づけの心理学とクラス会議について考察 第15回: 学習の成果,課題等の共有と全体のまとめ(演習及び講義)
【学習の方法】
・受講のあり方
演習に積極的に参加し,よりよい人間関係を築くための理念や態度を自己のあり方と重ねながら学んでほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業を振り返り,気づきや感想をまとめること。(随時感想レポート提出) 資料をファイリングし,自己理解や家族・仲間関係等,日常生活に生かしてみること。
【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準:子ども,教師,保護者における人間関係形成の課題を理解し,コミュニケーションスキルの基礎を説明(ST)・実践(現職)できる。
・方法
演習と実習への参加状況及びエンカウンター等のスキルの習得の面から,以下の観点に則り,総合的に判断し,評価する。 ・ 演習や実習等に主体的に参加し,設定された目標の到達に向けて努力しているか。(30%) ・ 演習における発表の内容等が,設定された目標に到達しているか。(20%) ・ 自己理解や人間関係について気づきがあったか,実習においてスキルの向上が見られたか。(50%【レポート】)
【テキスト・参考書】
【参考書】 教師のためのエンカウンター入門 片野智治 著 2009 図書文化 構成的グループエンカウンター事典 国分康孝 国分久子 総編集 2004 図書文化 授業づくりのゼロ段階 河村茂雄 著 2014 図書文化 学校グループワークトレーニング 横浜市学校GWT研究会 著 1989 遊戯社 クラス会議で子どもが変わる ジェーン・ネルセン 著 2000 星雲社
【その他】
・学生へのメッセージ
自分について気づき(自己理解)が促進され,教師としてのよりよいコミュニケーションスキルについて理論とスキルを学ぶことができる。
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