子ども理解の事例研究
 Case studies in children's adjustment
 担当教員:藤岡 久美子(FUJIOKA Kumiko)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
教育相談活動においては、子どもの心理を理解するため、子どもの問題を教師間で共有するため、あるいは自己洞察を深めるために、事例研究を行うことは有効である。本授業では、研鑽のための効果的な事例研究のあり方について、種々の形式の事例研究の講読、及び、エピソード記述など質的研究方法の演習を通して考察する。また、教育相談の取り組みにおける効果的な事例検討会のあり方について、ロールプレイを通して考察する。学校において実態にあった有効な事例研究及び事例検討会をマネジメントできる実践力を養うことが目標となる。

【授業の到達目標】
教育相談等の事例を的確に理解することができる。
教育相談活動に必要な事例研究及び事例検討会の具体的なあり方について提案できる。

【授業概要(キーワード)】
児童・生徒理解、教育相談、生徒指導、発達

【科目の位置付け】
求められる資質能力のうち「児童生徒の理解」に関する科目です。

【授業計画】
・授業の方法

・日程
第1回: オリエンテーション 受講生が経験した教育相談関係の事例検討会がどのようなものであったかを紹介し合った後、事例研究を行うことのメリットについて討議し、問題意識の共有を図る。
第2回: 教育相談事例①(小学校)
第3回: 教育相談事例②(中学校)
第4回: 教育相談事例③(高校)
第5回: スクールカウンセラーによるカウンセリング事例
第6回: スクールカウンセラーによるコンサルテーション事例
第7回: 講読事例のまとめ-事例記述における主観と客観について(討論) ここまでに購読した事例を概観し、それぞれの事例記述においてあらわれる主観と客観性について執筆者の立場を比較しながら考察する。
第8回: エピソード記述による事例の書き方
第9回: 受講生が書いたエピソードを検討する①
第10回:受講生が書いたエピソードを検討する②
第11回:受講生が書いたエピソードを検討する③
第12回:エピソード記述による自己洞察について(討論)
第13回:事例検討会の具体例-ロールプレイ①
第14回:事例検討会の具体例-ロールプレイ②
第15回:学習成果と課題(討論)

【学習の方法】
・受講のあり方
演習なので、積極的な発言が求められる。
・授業時間外学習へのアドバイス
関連する資料に事前に目を通しておく。
授業の内容を振り返り、整理しておく。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準:教育相談等の事例を的確に理解し,事例研究及び事例検討会の具体的なあり方について説明できる。
・ 各種教育相談事例の内容を理解できたか。
・ 教育相談の取り組みにおける効果的な事例研究のあり方について提案が出来たか。
・ 教育相談研修機能を持つ事例検討会のあり方について提案が出来たか。
・ 講義や演習に積極的に参加し、設定された目標の達成に向けて努力したか。
・方法
レポート及びプレゼンテーションの内容を中心に、総合的に判断し,評価する。

【テキスト・参考書】
参考書:「エピソード記述入門-実践と質的研究のために」 鯨岡峻 東京大学出版会

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