【授業の目的】
社会構造の急激な変化は,学校教育においてもこれまでにない複雑・多様化した課題を惹起している。そのような中,問題解決にあたる学校組織の活力(学校力)形成が問われている。本授業は,教員が互いに指導力を向上させ(自立性の育み),教員全体としての指導力の維持・向上を図り(チームの相乗効果の誘導),組織としての学校のパワーを引き出し,優れた問題解決に導く技術(ファシリテーション)の修得を目的とする。 現在の教育課題と学校組織の関連性の現状と課題を把握し,課題解決の1つの方策として,学校組織を活性化するファシリテーションの意義とその基本的スキルを理解できる。
【授業の到達目標】
○ファシリテーションの理論を学び,そのスキルを演習によって習得する。 ○授業力,学校力向上にファシリテーションの考えをどのように生かすかを明らかにする。
【授業概要(キーワード)】
チームビルディング,4つのスキル,ファシリテーショングラフィック,ワールドカフェ,学級ファシリテーション
【科目の位置付け】
この授業は,探求心を持って学校の問題を発見し,ファシリテーションの理論を考察することで,学校組織活性化に導く態度と技能を身につけるものである。
【授業計画】
・授業の方法
○ ファシリテーションの理論やその基本的スキルを講義,演習,ケーススタディ等により修得する。 ○ 授業づくり,学校運営における課題を解決するためのファシリテーションの理論とスキルを演習を通して学び,支援型リーダーとしてスキルアップを図る。
・日程
第1回: チームビルディングとファシリテーションの概念(講義・演習) 第2回:学校教育とファシリテーションの概念の理解(グループワーク) 第3回:組織運営における「リーダーシップ」「マネジメント」「ファシリテーション」(講義・演習) 第4回: ファシリテーションにおけるスキルⅠ(場のデザイン)(演習) 第5回: ファシリテーションにおけるスキルⅡ(対人関係・問いかけ)(演習) 第6回: ファシリテーションにおけるスキルⅢ(見える化・構造化)(演習) 第7回: ファシリテーションにおけるスキルⅣ(合意形成・対立の解消)(演習) 第8回: ファシリテーショングラフィック(演習) 第9回: ファシリテーションと学校教育に生かす(教育相談)(演習) 第10回:ファシリテーションと学校教育に生かす(授業・学級づくり)(演習) 第11回:ファシリテーションと学校教育に生かす(学校研究)(演習) 第12回:ホールシステムファシリテーション(A・I演習) 第13回: ホールシステムアプローチ(ワールドカフェ演習) 第14回: ホールシステムアプローチ(ワールドカフェ演習) 第15回: 学校力とファシリテーションについてまとめる。(KP法演習)
【学習の方法】
・受講のあり方
積極的に演習に参加し、学校での研修会や会議にどのように生かすかを考える。
・授業時間外学習へのアドバイス
参考となる文献をよく読んでおくこと。 学習内容を振り返るとともに,ファシリテーションを実践できるようにまとめておくこと。
【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準:学校組織を活性化するファシリテーションの意義とその基本的スキルを理解し、説明(ST)・実践(現職)できる。
・方法
以下の評価の観点に則り,会議等のデザイン案や発表等を中心に,総合的に判断し評価する。 ・ 演習やディスカッション等に積極的に参加しているか。(50%) ・ 学校の実地分析に基づく課題把握とその解決を図る会議等のデザインにファシリテーションが活用されているか。演習において,ファシリテーションに対する理解や工夫等が見られたか。(レポートも含む・50%)
【テキスト・参考書】
【テキスト】堀公俊(著)『ファシリテーション入門』(日本経済新聞出版社2004)石川一喜(著)『教育ファシリテーターになろう』(弘文社2015) 【参考書】 ちょんせいこ(著)『よくわかる学級ファシリテーション①』(解放出版社2011)
【その他】
・学生へのメッセージ
学校力だけでなく,学級経営・授業力のパワーアップに役立ちます。
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