認知学習過程と評価
 Cognitive Learning Process and Evaluation
 担当教員:出口 毅(DEGUCHI Takeshi),廣田 信一(HIROTA Sinichi)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
認知心理学・教育工学から学習と評価を理解する。
最新の学習理論を学び,実際の授業における児童生徒の学習の分析をとおして,児童生徒の認知学習過程を理解し,その理解に基づき効果的かつ適切な学習指導と学習評価を構想して実践できるようになる。

【授業の到達目標】
児童生徒の学習状況を認知論から適切に評価を行い,学習指導の改善のために活かすことができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
認知過程,教授・学習,教育評価

【科目の位置付け】
この授業では,児童生徒の学習について学習科学等の知見から認知学習過程を理解し,学習指導と評価を適切に行えるようにする。

【授業計画】
・授業の方法
授業で展開される教授・学習過程について認知心理学的視点から理解し,その上で教授・学習過程を改善するための評価の在り方について考察する。授業場面での児童生徒の学習を効果的にするためには,学習者である児童生徒の内面(認知過程)を理解し,その適切な評価に基づき学習指導を行うことが必要である。 そこで本授業では,まず認知学習過程のメカニズムの理解を深め,次に小・中学校の授業実践を素材にして適切な学習指導と評価について実践事例の考察を行う。なお,教員はそれぞれの専門の立場から分担して授業を行い,必要に応じて共同方式で担当する。
(出口毅)認知心理学の知見から児童生徒の認知学習過程と評価の過程について講述・指導する。
(廣田信一)教育工学の知見から児童生徒の認知学習過程と評価の過程について講述・指導する。
・日程
第1回:学部卒院生については,学部の実習等での学習指導の経験,現職教員院生は,これまでの授業実践を基に学習に共通する問題を把握する。
第2回:児童生徒の学習と学習指導の根拠を優れた教育実践の本質に求め,討議して明らかにする。(グループ討議)
第3回:優れた教育実践の分析を行うことを通じて,認知学習課程と評価の課題を講義と演習をとおして明らかにする。
第4回:対象となる授業を示し,子どもと教師の学習過程の関係について演習をとおして明らかにする。
第5回:学習の理論と現代社会における知識の役割について講義と演習をとおして明らかにる。
第6回:学習課程と学習の質について講義と演習をとおして明らかにする。
第7回:概念理解と知識の働きについて講義と演習をとおして明らかにする。
第8回:テキストからの学習について講義と演習をとおして明らかにする。
第9回:問題解決の過程を講義と演習をとおして明らかにする。
第10回:教室談話の特徴を講義と演習をとおして明らかにする。
第11回:リテラシーと談話コミュニティーについて講義と演習をとおして検討する。
第12回:協働学習の過程について講義と演習をとおして検討する。
第13回:協働学習の学習環境について講義と演習をとおして検討する。
第14回:授業における学習評価を講義と演習をとおして検討する。
第15回:これまでの学習の成果,課題等を話し合い,全体でまとめる。

【学習の方法】
・受講のあり方
実際の授業における児童生徒の認知過程はみえないものである。したがって,先行知見を整理した上で,児童生徒の実態を丁寧に把握し,理解を深める姿勢が何より大切である。
・授業時間外学習へのアドバイス
参考文献等を読み,先行研究を概観し,授業の場面で考えようとする。
児童生徒の実態から,学習過程や評価の影響について具体的に自分の考えをもつことができるようにする。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準:○(学部卒院生)認知論の知見に基づき児童生徒の学習状況を理解し,学習過程の評価を考えることができる。
○(現職教員院生)認知論の知見に基づき児童生徒の学習状況を理解し,その学習過程の具体的な評価を行うことができる。
・方法
授業は,2名の教員による協働方式により行われる。担当教員は,合議により,持ち点を半分として,授業の到達目標及びテーマの観点から,出席・レポート等で総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
【テキスト】特に指定しない。
【参考書】秋田喜代美・藤江康彦『授業研究と学習過程』(日本放送出版協会,2010年)

【その他】
・学生へのメッセージ
この授業をとおして,最新の学習科学を理解する契機になってほしい。
・オフィス・アワー
第1回の授業において説明する。

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