教材開発のための教科内容研究(英文学領域)
 Curriculum Contents for Teaching Material Development (English Literature)
 担当教員:金子 淳(KANEKO Jun)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
コミュニケーション能力の素地となる、価値観の多様性・多義性を理解する力を養成するための教材として、英米文学の作品を活用する。これを通じて、知識・技能を活用する学習活動、課題探求型の学習、協働的な学びのデザインを中心とした新たな学びを展開できる実践的指導力を養成する。その際、学習科学および教科内容構成の研究成果の活用、経験知や暗黙知の一般化による理論や方法の開発など、実践につながる教育学研究の成果に基づいて行うことを重視する。

【授業の到達目標】
○ 中学校・高校で使用されている教科書を分析し、その題材・素材の問題点を探ることができる。 ○ 前項の問題を踏まえ、それらが実際にどのように授業で活用されているか、観察・分析し、議論することができる。 ○ 前項の授業での問題を解決するため、自分であれば、どのような活用・授業展開をするか、議論することができる。 ○ 前項の問題を教科書では解決できない場合、適切な英米文学の作品を選定し、授業展開を考えることができる。 ○ それぞれが開発した教材を用いて、発表し、議論することができる。

【授業概要(キーワード)】
英米文学 英米文化 英語教育 演習

【科目の位置付け】
教職に係る高度な専門性を育成するため、5領域の「共通科目」及び「学校における実習科目」の必修科目を基盤にしたうえで、4分野(「学校力開発分野」「学習開発分野」「教科教育高度化分野」「特別支援教育分野」)の「分野選択科目」を配置し、学生は入学後に4分野のうち一つを選択し、各自の専門性を高めるようにする(カリキュラムポリシー)が、この科目は「教科教育高度化分野」に該当する。

【授業計画】
・授業の方法
1.初めに調査の仕方について、レクチャーを行います。 2.それをもとに、一人一人がそれぞれのテーマを決めてもらいます。 3.順番を決め、そのテーマについて、各人が調査した結果と分析について報告をしてもらいます。 4.それについて全員でディスカッションを行います。
・日程
第 1回:中学校・高校の英語の教科書に取り上げられている題材・素材を分析し、問題点について考える。(講義・演習) 
第 2回:前回で得たことをもとに、実際の授業における題材・素材の扱い方について、附属中学校等で授業を観察する。 
第 3回:授業観察の結果について、各自報告・分析し、議論する。その際、問題点が何かを明確にする。(演習) 
第 4回:前回で得た問題点を解決するために、教科書に載っている題材・素材の中から、価値観の多様性を教えるのに相応しいものを選び、授業で    の展開の仕方について議論する。学校における実習科目との密接な連関を意識して取り組む。
第 5回:教科書を使用するだけでは難しい場合、英米文学の作品を教材として使うことについて議論する。(演習) 
第 6回:教材例として、新学習指導要領の理念が「生きる力」を育むという点であることに鑑み、「生きのびる」ということがテーマであるスタイ    ンベックの『怒りのぶどう』について概説し、重要な場面を読み、理解を深める。(講義・演習)
第 7回:前回の内容について、理解を深めるために、ディスカッションを行う。(討論)
第 8回:少年から大人への通過儀礼がテーマであるスタインベックの『赤い子馬』について理解を深め、議論する。(演習) 
第 9回:前回の内容について、理解を深めるために、ディスカッションを行う。(討論)
第10回:受講者が各自、自分の授業で使用可能な英米文学の教材を調査し、選定する。(演習) 
第11回:前回選定した作品をもとに、それらを教材としてどのように活用し、授業展開するかを考える。(演習) 
第12回:第13回:教材制作指導を行う。(演習)その際、教科指導に一層結びつくよう、教科内容を中心に工夫する。
第14回:作成した教材について、意見交換し,改善点を明らかにする。(演習・発表)教科の内容と方法の総合を重視する。 
第15回:プレゼンテーションと、これまでのまとめを行う。(発表)

【学習の方法】
・受講のあり方
授業の際には、きちんと調べてきて、授業内では積極的に発言をするように心がけてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
英米文学・英米文化・ヨーロッパ文化に関連する本を、たくさん読むようにして下さい。読書量の豊さが最終的に、力の差となって表れてきますので、がんばってください。

【成績の評価】
・基準
成績評価基準:C(合格に必要な最低限度)基準
 学部卒院生  英米文学の作品を基にした教材開発を行うことができ、それを用いて独自の学習指導案を作成できる。
 現職院生  英米文学の作品を基にした教材開発を行うことができ、それを用いて独自の授業展開ができる。
・方法
成績評価の方法:以下の観点から、授業中の口頭による発表、討論、レポート等をもとに、総合的に評価する。・ 演習や課題設定に関して,主体的に,積極的に参加し,設定された目標の到達に向けて意欲的に取り組んだか。・ 演習や口頭発表の内容等が設定された目標に到達しているか。・ 内容に関する理解や工夫が見られたか。 レポート40%+プレゼンテーション40%+授業参加20%

【テキスト・参考書】
適宜、プリントを作成し、配布する。

【その他】
・学生へのメッセージ
自分でテーマを持ち、調べて、発表するという活動を通じて、研究への足がかりとして下さい。
・オフィス・アワー
授業の際にお知らせいたします。

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