物理工学特論Ⅲ
 Advanced Physics III
 担当教員:小池 邦博(KOIKE Kunihiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)数物学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代の物理工学の対象となる基礎的な固体の磁気現象について理解する。さらに多彩な物理的振舞いを示す磁性体の性質とそれを応用した最近の磁性材料の展開について学ぶ。

【授業の到達目標】
全講義を通して金属,合金や化合物などの典型的な結晶構造や状態図などの固体物理の基礎について理解し説明できるようになる。固体の磁性(物性)と磁性材料の特性について理解し説明できるようになる。これらの磁性材料の応用について理解し説明できる。受講生は磁性材料に関する調査課題をフラッシュプレゼンを通してディスカッションできる力を身につける。

【授業概要(キーワード)】
相変態,比熱,結晶,固体,電磁気,磁性,スピン,ソフト・ハード磁性材料,酸化物・金属・合金・化合物の磁性,磁気センサ,磁気計測

【授業計画】
・授業の方法
本講義は講義ツールとしてパワーポイントとWebclassを用いるが,受講生がフラッシュプレゼンを行いながら全員が参加するディスカッション形式でも進行する。
・日程
毎回の講義の到達目標と順序は下記の通りです。
第1回:イントロダクション 磁気工学の歴史と課題
第2回:固体物理の基礎(1)固体の構造
第3回:固体物理の基礎(2)相変態と状態図
第4回:固体物理の基礎(3)拡散と結晶成長
第5回:物質の磁性(1)磁気工学に用いられる基礎的な諸量
第6回:物質の磁性(2)磁性
第7回:物質の磁性(3)磁性と様々な磁性体
第8回:磁性材料(1)磁気特性の計測
第9回:磁性材料(2)磁区構造と強磁性体の磁化プロセス
第10回:磁性材料の応用(1)ソフト磁性材料(酸化物)
第11回:磁性材料の応用(2)ソフト磁性材料(合金・化合物)
第12回:磁性材料の応用(3)ハード磁性材料(酸化物)
第13回:磁性材料の応用(4)ハード磁性材料(合金・化合物)
第14回:磁性材料の応用(5)ストレージ磁性材料
第15回:磁性材料の応用(5)スピントロニクス磁性材料

【学習の方法】
・受講のあり方
解説教材をパワーポイントによって示しながら解説します。この講義内容をノートへ筆記しながら内容を理解していきます。さらに課題調査とそのフラッシュプレゼンを通して,様々な磁性材料の基礎と応用について学んでいきます。
・授業時間外学習へのアドバイス
相手に分かりやすく伝えるため,様々な視点で調べて,考え,計算結果などを示した正確なエッセンスをプレゼン形式にまとめる作業を定期的に繰り返しましょう。強磁性体の物理について理解が深まります。

【成績の評価】
・基準
固体物理の基礎と物質の磁性,磁性材料について理解を進め,磁性材料に関する十分な課題調査もとに,フラッシュプレゼンによって,その内容を分かりやすく説明し,有意義なディスカッションができれば合格とします。
・方法
課題調査とそのフラッシュプレゼン内容や理解度などについて100%として評価した上で,総合点の60%以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:近角聰信「強磁性体の物理(上),(下)」
参考書・資料:安達健五「化合物磁性(局在スピン系,遍歴電子系)」,太田恵造「磁気工学の基礎 I, II」共立出版,個別の研究課題に関連する専門書や学術論文,WEBなど。

【その他】
・学生へのメッセージ
自ら課題について詳しく調査し,説明するフラッシュプレゼンの経験は,基礎知識を収集してまとめ,分かりやすく相手に伝える能力も獲得する練習の場になるでしょう。
・オフィス・アワー
火曜日の15:00?19:00

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