粉体工学特論
 Powder Technology
 担当教員:木俣 光正(KIMATA Mitsumasa),小竹 直哉(KOTAKE Naoya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:博士前期課程  科目区分: 
【授業の目的】
粉体は我々の身の回りだけでなく,多くの産業分野に深く関わっている。学部時に学んだように,粉体工学の主な対象は,粒子集合体における物性と挙動である。粉体の挙動は,単一粒子の挙動や粒子間の相互作用で規定され,それは生産目的に応じた装置によって制御される。本講義においては,粉体工学における粉体物性とその測定,粒子生成,粉体の製造プロセスとその応用を中心に,それらの理論的背景を詳しく学び,粉体工学の理解を深めることが目的である。

【授業の到達目標】
(1)単一粒子および粉体の基本物性(粒子径(分布),比表面積,空間率など)を理解すること,(2)単一粒子の破壊理論,三相における微粒子生成の基礎理論を理解すること,(3)ブレイクダウン法およびビルドアップ法による粉体の生成理論およびその製造プロセスを理解すること,(4)現在の粉体プロセスの応用について学ぶこと。

【授業概要(キーワード)】
粉体基礎物性,単粒子破壊,粉砕,核生成,シード成長,メカノケミカル,離散要素法

【科目の位置付け】
この科目は,物質化学工学専攻の学習・教育目標における「A.地球環境と融和できる化学技術者・研究者の養成」に主に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
講義は,概ねテキストに従って進める予定である。必要に応じて授業用プリントも配布する。
・日程
第1週 イントロダクション,粉体基礎物性(粒子径(分布)、粒子形状、粒子密度など)
第2週 粉体基礎物性(比表面積,BET理論)
第3週 粉体基礎物性(粉体層の空間率,流体の透過理論)
第4週 場の中での粒子の挙動(運動方程式,重力沈降,遠心沈降)
第5週 粉体粒子生成の概要,単粒子破壊(破壊の基礎)
第6週 単粒子破壊(実際の固体の破壊,グリフィス理論,強度の寸法効果など)
第7週 集合粉砕の理論,速度論
第8週 均一核生成,不均一核生成
第9週 凝集粒子形成,シード成長モデル
第10週 粒子生成(気相,液相プロセス)
第11週 粒子生成(固相プロセス)
第12週 メカノケミストリー
第13週 メカノケミカル重合反応
第14週 離散要素法によるシュミレーション
第15週 試験及びその解説
(第1-7週担当:小竹,第8-15週担当:木俣)

【学習の方法】
・受講のあり方
授業中は私語等他の受講生の迷惑にならないように心がけること。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめテキストに目を通しておくと,授業内容の理解が深まる。
前回の授業内容をテキストとノートを中心に復習する。また,講義内容を理解するためにテキストの章ごとの演習問題を解くほか,参考書の該当箇所を通読してほしい。

【成績の評価】
・基準
レポートおよび期末試験の合計60点以上(100点満点)を合格とする。
・方法
レポートおよび期末試験の結果を総合して成績を決める。
レポート(演習課題):50点,期末試験 :50点,合 計 :100点

【テキスト・参考書】
テキスト:椿淳一郎・鈴木道隆・神田良照,入門 粒子・粉体工学,日刊工業新聞社,2800円(税抜き)(学部3年時に購入済み)
参考書:粉体の基礎編集委員会,粉体工学の基礎,日刊工業新聞社,4757円(税抜き),粉体工学会,粉体工学叢書 第2巻 粉体の生成,日刊工業新聞社,3200円(税抜き)など

【その他】
・学生へのメッセージ
学部科目である粉粒体工学の単位を修得していることが望ましい。関数電卓あるいはEXCEL計算などを使えることが望ましい。質問は常時受け付けるが,オフィスアワーの利用が望ましい。
・オフィス・アワー
木俣:毎週水曜日16時~17時(3号館1209号室),小竹:毎週金曜日16時~17時(3号館1210号室)

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